第十四話 『生命』=『生命』
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と、豆腐と若布の味噌汁だ。俺は炊き込みご飯を頬張る。
シ「ふはい・・・」
久々に食べる母さんの料理はものすごく美味しかった。
母「随分、早かったね。」
シ「いや、まだ『戌』の血を持つ十代目と、『卯』の血を持つ十代目しか倒してないよ。」
母「それでもかなりの進歩じゃないか。」
俺が『任務』を順調に達成しているのを聞くと母さんは嬉しそうに笑った。すると、母さんは俺の右腕を見てきょとんとした顔になった。
母「シン、右腕に付いている灰色のものは何?」
シ「あぁ。マグノリアっていう商業都市にある魔道士ギルド、妖精の尻尾の紋章だ。俺、そこに加入したんだ。」
母「妖精の・・尻尾・・・」
「妖精の尻尾」と聞いて、母さんは少し驚いたみたいだ。そりゃそうだ。もう死んだ父さんが一時期加入していた魔道士ギルドだからな。
母「魔道士ギルド・・っていう事は、シンは魔道士になったの?」
シ「あぁ。」
俺はテーブルに箸を置くと、ズボンのポケットから五色腕輪を取り出して母さんに渡した。
シ「それが俺の魔法、五色腕輪だ。赤は炎、黄色は雷、緑は風、青は水、紫は闇で、腕輪ごとに属性が変わるんだ。腕に付けると、その属性を両手に纏う事が出来るんだ。」
母「へぇ〜。時代は進んだねぇ〜。」
母さんはすっかり五色腕輪に感心している。さて・・・そろそろ本題にいくか。ドクッ、ドクッ、ドクッと俺の鼓動の音が大きくなった。
シ「なぁ、母さん。」
母「ん?」
シ「・・シグレ・バンギって・・知ってる、か?」
母「!」
俺は母さんの体が一瞬だけピクッと身震いしたのを見逃さなかった。そして、俺はポケットからマスターから貰った写真を取り出して母さんに見せる。写真はしわくちゃになっていた。
シ「妖精の尻尾のギルドマスター、マカロフさんから教えてもらったんだ。」
俺は写真に写っている父さんを指差す。
シ「この人が、俺の父さん、シグレ・バンギだって、マスターは言ってた・・・」
母「・・・・・」
母さんは何も言わない。ただ、写真に写っている父さんを見つめているだけだ。
シ「そのマスターからの話だと、マスターが三十歳ぐらいの頃、父さんは妖精の尻尾の魔道士として、数ヶ月間だけギルドに加入してたらしいんだ。その三週間後に、ナズナ山で筍を採りに行って崖から転落した。それから三年後に、俺が生まれたんだよな・・・?」
母「・・・・・」
母さんは何
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