一部 高校一年
風間ファミリー
8話 ドイツから来た転入生
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「どうした大和、何が見えたんだ?」
窓側の大和が驚きと気まずさの混じった声を上げ、それにガクトが反応した。
「・・・見たことある女の子が学校に乗り込んできた。・・・馬で」
「なんだそりゃ!?」
「何かあるみたいだな、見たいものは席を立ってみることを許可する」
小島先生の許可が下り、みんないっせいに窓に群がる。
校庭
「クリスティアーネ・フリードリヒ見参!! 今日からこの寺子屋で世話になる!!」
そう高らかに宣言した女の子は馬に乗り、美しい金髪を風でなびかせていて、美少女といっても差し支えない容姿をしていた。
「うひょー!! やべえ!! 超可愛い!!!」
「超・当たりだ!!!」
ガクトやヨンパチといった男子達が咆哮する。
「あははは!! 馬かよ! 面白ぇな、あいつ」
キャップも別の意味で叫んでいた。
「てか、馬って・・・」
「日本での交通手段だろう?」
「いつの時代ですか、今はそんなもの使ってませんよ」
小笠原が懸命に誤解を解こうとするが、
「だが、あれは・・・」
「うわ、よりによって例外が・・・」
「ふむ、自分の他に馬登校の者はいないのだな。 ん?」
「フハハ、転入生が初日から馬で登校とはやるな!」
「おはようございます☆」
よりによって最悪のタイミングで、九鬼の人力車が来てしまった。普段九鬼英雄は人力車を女王蜂に引かせて登校している。一見遅いように思えるが、そこは九鬼家の従者部隊一位の実力者、人力車の速度はなんと時速80キロを超えるという化物具合だ。
「それは・・・ジンリキシャ」
「うむ、そして我の名は九鬼英雄である。」
「自分の名はクリスという。馬上にてご免」
クリスは凛とした表情で挨拶をかえす。
「我はいずれ世界を統べる者。その栄光の印、とくと目に焼き付けよ!」
九鬼はそう言って金色のスーツの背にある龍を見せつける。
「おお、まるで遠山!」
クリスはいたく感激しているようだ。
「ほう、人力車で登校している者もいるとは。龍斗くんの言っていた通り、さすが侍の国ですな。ハハハ」
フランク中将の一言にみんなの視線が一気に龍斗に集まる。
「龍斗・・・お前・・・」
大和だけ何故か恨みがましいような視線を向けてきた。
「・・・そろそろ、クリスを教室に呼ばなきゃな。俺、呼んできます!!」
龍斗は視線を泳がせながら、教室からダッシュで飛び出した。
「自分はクリスティアーネ・フリードリヒだ。改めてよろしく頼む。」
クリスの凛とした立ち振る舞いに何人かの男子は見惚れていた。
「日本語うまくなったな、クリス」
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