一部 高校一年
川神一子の師範代ロード
7話 勇往邁進
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ましは効かないぞ!!」
百代は自身の気配を絶ちながら、気配探知でワン子の場所を探り当て接近する。だが、そこにはこちらに対して狙いを定め薙刀を構えたワン子がいた。
「なに!!」
「川神流奥義 顎・真!!!」
通常二つの斬撃が上下からくるのが顎という技だ。だがこれは、四つの斬撃がそれぞれ百代の人体的死角に対して放たれていた。
「くっ!!」
百代はなんとか三つを避けたが、最後の一つを避け損ね、体制が崩れる。そこに、
「はぁ、はぁ・・・川、神・・・流 蠍撃ち!!!」
「ぐはっ!!!」
ワンコの渾身の一撃が入り、
「嘘だろ、あのモモ先輩が膝をついたぞ!!」
「初めて見た、姉さんが膝をつくとこなんて・・・」
「・・・・やった、わ・・・」
バタッ!!
ワンコはそのまま前のめりに崩れ落ちていった
「一子!!」
そこを忠勝がなんとか受け止める。後ろから大和たちも駆け寄ってくる。
「勝者 川神百代!!」
そう宣言すると、鉄心と百夜もワンコのもとへ走った。
「・・・・う、うん? あれ、たっちゃんにお姉様、じいちゃんも。それに、みんな」
「ワン子、久しぶりに強者と戦えて楽しかったぞ。またやろうな。」
「お姉様、・・・」
ずっと憧れていた言葉が自分にかけられた。それだけで心がいっぱいになって涙がこぼれ落ちる。
「それからな、師範代の件。私たちはお前の才能を見いだせず、間違った判断を下していたようだ。すまない。お前にはそれを目指す権利が十分にある。それから、・・・それから・・・・・・本当に・・よく頑張ったな。うぅ、ぅぅ」
モモ先輩は堪えきれなくなり泣きながらワンコを抱きしめた。
「すまなかったのう、一子。辛かったろう、夢を断たれて。それでもお前は努力した。わしらの間違った判断を自ら覆した。ほんとうに、ようやったのう。」
「一子、おめでとウ。本当に、本当によく頑張ったネ」
ルー師範代と鉄心も若干声が震えている。それだけワン子のことを気にかけていたのだろう。
「俺、モモ先輩が泣いてるとこ、初めて見た」
「それだけモモ先輩にとっての大きな悩みだったんだろう。当たり前か、家族だもんな」
龍斗は少しだけ寂しそうにそう呟いた。
モモ先輩はしばらく泣き続けたあといつもの調子に戻り、キャップが秘密基地でワン子の祝勝会を開くと言い出したので、ワン子の付き添いのゲンさんと本人以外はパーティーの準備をしていた。
そして夜、基地にはキャップがバイト先から仕入れてきたご馳走や、飲み物が山のようにある。
「それじゃ、まずはワン子の師範代試験一時通過を祝して、カンパーイ!!」
「「「「「「おめでとう!!
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