一部 高校一年
川神一子の師範代ロード
7話 勇往邁進
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の?」
ワン子はとても驚いているようだ。
「ああ、黒鉄家人たちに、橘さん達、黛剣聖とその娘さん、他にも天神館の鍋島さん、相模おばさん、色々な人に協力してもらった。」
「どうしてあたしにそこまでしてくれるの?」
「言ったろ、俺にも夢があるからだ。だから、お前の気持ちもわかるし、協力しようと思ったんだ。さて、修行をはじめるぞ!! 覚悟はいいか?」
「もちろんよ、望むところだわ!!」
―こうして、ワン子と龍斗の長い一ヶ月が過ぎていった。
そして
―九月一日―
「・・・ふぅ。さて、行くか?」
「うん」
―川神学園F組教室―
「ワン子達、今日までに戻るって言ってたけど」
「間に合わなかったのかな」
始業式も終わり、もう帰っている者もいる。忠勝ももういなかった。だが、ワンコ達はまだ姿を見せていなかった。
「姉さん、あれからずっと元気ないよな。金曜集会でさえあんまり来ないし。あんな弱気な姉さん初めてだ。」
「それだけワン子のことが心配なんだね」
「あれ? 校庭にいるのワン子とモモ先輩じゃねーか!」
キャップが窓の外を見て驚いたように叫び、慌ててみんな窓の方に駆け寄った。
「本当だ。でもなんか空気が張り詰めてるな。もしかして、」
「ああ、ワン子とモモ先輩の決闘だ」
「「「「「龍!・・・斗?」」」」」
皆が戸惑ったのも無理はない。教室のドアのところに立っていた龍斗は少し風貌が変わっていた。短かった銀髪は肩まで伸び、後ろでひとつに結んであり、背も少し伸びたようだ。
「お前、一ヶ月で変わりすぎじゃねえか?」
ガクトが思ったことをそのまま口に出した。
「詳しい話はあとだ。早く下に行くぞ!!」
「ゲンさんに知らせないと!!」
「ゲンさんはもう下にいるよ。誰よりも早く来たよ、そのあとにモモ先輩が気配探知で飛んできたんだから驚きだよ」
「姉さんよりも早いとは、そんなことがあるんだな」
「とにかく下に行くぞ!!」
―川神学園校庭―
「ワン子、どういうつもりだ?」
「言葉通りの意味よ、お姉様に決闘を申し込むわ!!」
ワン子は百代の前にワッペンを叩きつけた。百代はそれを聞いて困惑していた。それもそのはず、百代はワン子が違う道を探すため、視野を広げるために龍斗と旅に出たと思っていたのだ。それが、帰ってきていきなり才能がないと絶望を突きつけられた武術で、あろうことかその道の頂点といっていい自分に挑んできたのだ。
「一子よ、本気で言っておるのか?」
審判として呼ばれた鉄心も驚いた様子だった。彼は龍斗に呼ばれたので、てっきり試合をするのは龍斗と百代だと思ったのだ。
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