暁 〜小説投稿サイト〜
真剣で清楚に恋しなさい!
一部 高校一年
川神一子の師範代ロード
7話 勇往邁進
[4/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の?」

ワン子はとても驚いているようだ。

「ああ、黒鉄家人たちに、橘さん達、黛剣聖とその娘さん、他にも天神館の鍋島さん、相模おばさん、色々な人に協力してもらった。」

「どうしてあたしにそこまでしてくれるの?」

「言ったろ、俺にも夢があるからだ。だから、お前の気持ちもわかるし、協力しようと思ったんだ。さて、修行をはじめるぞ!! 覚悟はいいか?」

「もちろんよ、望むところだわ!!」

―こうして、ワン子と龍斗の長い一ヶ月が過ぎていった。


そして


  ―九月一日―


「・・・ふぅ。さて、行くか?」

「うん」


 ―川神学園F組教室―

「ワン子達、今日までに戻るって言ってたけど」

「間に合わなかったのかな」

始業式も終わり、もう帰っている者もいる。忠勝ももういなかった。だが、ワンコ達はまだ姿を見せていなかった。

「姉さん、あれからずっと元気ないよな。金曜集会でさえあんまり来ないし。あんな弱気な姉さん初めてだ。」

「それだけワン子のことが心配なんだね」

「あれ? 校庭にいるのワン子とモモ先輩じゃねーか!」

キャップが窓の外を見て驚いたように叫び、慌ててみんな窓の方に駆け寄った。

「本当だ。でもなんか空気が張り詰めてるな。もしかして、」

「ああ、ワン子とモモ先輩の決闘だ」

「「「「「龍!・・・斗?」」」」」

皆が戸惑ったのも無理はない。教室のドアのところに立っていた龍斗は少し風貌が変わっていた。短かった銀髪は肩まで伸び、後ろでひとつに結んであり、背も少し伸びたようだ。

「お前、一ヶ月で変わりすぎじゃねえか?」

ガクトが思ったことをそのまま口に出した。

「詳しい話はあとだ。早く下に行くぞ!!」

「ゲンさんに知らせないと!!」

「ゲンさんはもう下にいるよ。誰よりも早く来たよ、そのあとにモモ先輩が気配探知で飛んできたんだから驚きだよ」

「姉さんよりも早いとは、そんなことがあるんだな」

「とにかく下に行くぞ!!」


  ―川神学園校庭―

「ワン子、どういうつもりだ?」

「言葉通りの意味よ、お姉様に決闘を申し込むわ!!」

ワン子は百代の前にワッペンを叩きつけた。百代はそれを聞いて困惑していた。それもそのはず、百代はワン子が違う道を探すため、視野を広げるために龍斗と旅に出たと思っていたのだ。それが、帰ってきていきなり才能がないと絶望を突きつけられた武術で、あろうことかその道の頂点といっていい自分に挑んできたのだ。

「一子よ、本気で言っておるのか?」

審判として呼ばれた鉄心も驚いた様子だった。彼は龍斗に呼ばれたので、てっきり試合をするのは龍斗と百代だと思ったのだ。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ