一部 高校一年
川神一子の師範代ロード
7話 勇往邁進
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の修行もしない」
「どういうこと?」
ワン子は不思議そうだ。
「俺が見つけたお前の才能、それは勘だ」
「勘!?」
ワン子はさらによく分からないという顔をしている。
「そう、勘だ。お前は攻撃するとき感覚的にどこを攻撃するかや、攻撃を躱すとき感覚で避けてるだろ?」
「うん。なんとなくここを攻撃すればいい気がするって思ったところを攻撃するし、嫌な予感がしたら避けるわ」
「それだ、その感覚がお前の天性の才能だ」
「でも、そんな才能があるならもっと強くなってるんじゃないの?」
「お前の勘は鋭いが、その場所に攻撃を打つことに体が追いついていないせいで、若干のズレが出ている。こういう類の攻撃はほんの少しのズレで意味がなくなってしまう。避けに関しても、攻撃を感じ取れるがどう避ければいいかが分かっていない。そんなお前に必要なものは」
「必要なものは?」
「実戦だ。今から夏休みが明けるまでの十ヶ月間、俺とひたすら戦ってもらう。」
「十ヶ月? 夏休みはそんなにないわよ?」
ワン子はも唖然としている。
「俺が、お前の修行期間中に西に行ってくるって話ししたよな」
「うん」
「俺は松永久伸さんって人のところに行ってたんだ。その人は発明家でな、俺が旅をしてた頃に一時期共同開発で作ってた物の内の二つが完成したって話を聞いたからなんだ。それがこれだ。」
そう言って龍斗が少し大きめの黒い箱のようなものを見せた。
「なにこれ?」
「これはな、空間を歪めて亜空間を作る装置だ、これを使うと大体半径二十メートルくらいの範囲で時間の進みが十分の一程度になる。」
「・・・・」
ワン子は説明についていけず頭がオーバーヒートしていた。
「まあ、わかりやすく言うと、これを使えば一ヶ月で十ヶ月分の修行ができるってわけだ」
「なるほど、分かったわ」
「ただ、欠点がいくつかあって、まず一つが気で動くんだが、一回作動させると中の気が尽きるまで止まらない。もう一つは一回起動させるには壁を越えた者並の気が十人分位の量の気が必要なんだ。」
「十人!? そんなの起動するわけないじゃない」
「そこでさっき言ってた、二つのうちのもう一つの発明品の出番だ。」
そう言って龍斗は右腕の袖をまくった。そこには黒いバンクルのようなものがつけられていた。
「これは、もともとは付けたもの自身の気を貯めるための物なんだが、一時的になら他者の気も貯めることができる。まぁ、気弾とかを貯めるのは無理だけどな。繊細な受け渡しが必要だし。これを使って、俺が旅の時に全国で知り合った達人の方々に頭を下げて気を分けてもらった。これを使って起動させるぞ」
「そんなにたくさん知り合いがいる
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