一部 高校一年
川神一子の師範代ロード
6話 挫折と呪い
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るとは思ってなかったぞ。」
「へへへ、ありがとうお姉様」
だが、褒められているのに周りの表情は暗いままだった。
「だがな、これだけ入っておかなければならない。師範代は諦めろ」
「・・・え?」
「先ほどの試合で、お前の攻撃は当たらなかったよな、それじゃあダメなんだよ。師範代を目指すなら私に攻撃を当てることは必須だった。別に武術をやめろとは言わない。努力で才能をカバーし、準師範代なら目指せるレベルにお前はなった。だが、師範代は努力だけじゃあどうにもならない才能の壁が必要なんだ、天賦の才がな。今すぐ新しい道を探せとは言わない。ちょうど、夏休みだ。一緒にいろんな道を探そう」
「・・・・」
「・・・すまん。今、お前にそんなことを言うべきではなかった。頭を冷やしてくる。」
そう言って百代は道場から出て行った。
「・・・・・・・・一人にさせて」
十分ほど過ぎた頃、ワンコは唐突に口を開いたかと思うと、道場から出て行った。
「・・・・一子・・・」
忠勝はかける言葉も見つからず、ただ立ち尽くすばかりだった。
ワンコは修行をした滝の前に自然と足が向かっていた。そこには誰かが立っていた。
「・・・龍斗・・・」
「ワン子」
龍斗はワン子の表情を見て全てを察した。
「アタシ、頑張ったけどダメだったみたい。才能ないからさ・・努力すればなんとかなるって思ってたけど、やっぱりお姉さまみたいになれなかった。当然なのかな、私は川神院の実の娘じゃないし、そんなことないって証明したかったけど、ダメだったみたい。」
「・・・それで、お前は納得したのか?」
「・・・ないでしょ・・・納得できるわけないでしょ!!」
今まで抑えてきたものが爆発した。
「どうしてよ! これだけずっとやってきて、どうしてあたしには才能がないの!!
あたしに誇れるものは武術しかないのに、武術だけは半端しないって決めてたのに、あたしはたった一つのそれさえダメなの? お姉様のようになりたかったのに!! どうしてお姉様に近づく道をくれた武術の才能がないのよ!!! どうして・・・」
「・・・そうだよな、納得できるわけないよな・・」
「龍斗に何がわかるのよ!! 龍斗は持ってるじゃないあたしにはない才能を!! そんな龍斗に一体あたしの何がわかるっていうのよ!!!」
「・・・ごめん、あたし今自分を抑えきれないの・・・一人にさせて・・・」
ワンコは今にも壊れてしまいそうそうなか細い声を振り絞るように言った。
「ワン子、俺からひとつだけ話がある」
「・・・今じゃなきゃダメなの?」
「ああ、今のお前だからこそだ。お前に修行をつけようと思う」
「は? 龍斗、正気? あたしは今
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