at NIGHT 4th
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「ありがと、雪村くん。私たちならどこまでもいける気がするわ」
「っ――――」
夏目も俺と同じことを思っているんだ。そう思うと無性にうれしかった。
「じゃ雪村くん、目瞑って」
「お、おう」
言われた通りに目を瞑ると、夏目は呪文を唱えだした。
「風の精霊王よ――――」
そして、ぷちっ、という小さな音が聞こえたかと思うと――
「んっ――」
「っ!!」
キス、されていた。
――マウストゥマウスで。
そうしてゆっくり十秒ほどそのままされるがままになっていた。
「ぷはっ」
夏目のやわらかい唇がはなれた。
俺たちの口には血がついている。
「ごめんなさい、契約には口移しで血を渡す必要があるの」
ああ、さっきのぷちっ、てのは夏目が自分の唇を噛みきった音だったのか。
「どんな儀式なんだよこれ」
面白い。こんなマンガの中でしかありえないことをリアルでやっているということがたまらなく嬉しい。俺は隠しもせずに盛大に笑った。
「まあ、昔からそう決められているのだから仕方ないでしょう? 私こういうの割と好きなの。中々の背徳感じゃない?」
おっどろきー、清楚な出で立ちをしているけれど実は結構ダークな奴なんだな。
「いいね、俺もスリルを味わいたいという意味では背徳感ってのも嫌じゃない。でも次からはこういうのは先に断りを入れろよ? 心の準備があるんだから」
「そうする。……もうすぐ精霊結界が切れるわね。さて軽く契約したらどうなるのかの説明をするわよ」
説明を聞くと契約というのはなるほど言葉通りだと思った。
まず、どんなに離れていてもテレバシーで意思疎通ができるようになる。それと、お互いの能力がどちらも上がる。具体的には夏目は自分の力に加え、俺の力が追加される。俺は夏目の力が追加されるらしい。
「ざっとこんなものよ。ようは私の血を介してお互いの体がリンクしているの」
「分かったぜ」
「頼もしいわね、あとはもう目の前の敵をぶっ潰すだけ。さあ、結界が切れる……三、二、一、行くわよ!」
カウントが終わると同時に俺たちの周りを取り囲んでいた風が無くなった。
敵の姿を視認する。
――さあ、始めましょうか。俺たちの闘いを。
「うおおおおおおおおおっ!!!!!」
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