てすと ーその1の位置
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ここはとある国にある、とある地域。『小分県』と一般に呼ばれている。
そこに舞い降りたUFOが一機。
「ここが...この星で最も危険な地域、か...?」
「先輩、もしかしてこのコンピューター壊れてます?」
話しながらUFOから出てきた二人の人型生命体は辺りを見渡す。林に囲まれた田園に降りたようだ。空は曇り。見えるのは林と田園ばかり。
「たしかに壊れてるかもな...ここのなにが危険地域だ?なんにも無いじゃねえか」
「最近メンテナンスしてないですからね〜」
聞こえるのは鳥のさえずりばかり。
二人の役職は『僻地星間調査委員』。読んで字のごとく、銀河のはずれにある、未調査の星を調査するのが仕事だ。仕事の最初は、その星で最も危険とされる地域から取りかかるのが決まりである。
「検索し直すにも時間がかかるからな...取り敢えずはこの地域を調査しよう
田園の間を進む二人。やがて林に差し掛かり、それを抜けると、また似たような田園だった。
田園を進む。林を抜ける。するとまた田園だった。
田園、林、田園、林...
なんどそれを繰り返したか分からなくなった頃、日がくれて、夜が来た。
幸い辺りは田園、米が取れる。鳥も飛んでいる。味気ない携帯食料以外のものも食べることができる。
「晩飯を食べたら、UFOに戻りましょう。それにしても同じ風景ばかりで飽き飽きしますね。」
「まったくだな...しかも、一度も知的生命体を見ていないぞ?この田んぼは、一体だれが管理してるんだ?」
「なんだか、少し不気味な気もしますね...さっさとUFOまでの道を調べて、帰る準備を...あれ?」
「どうした?」
「いや、それが...なぜかUFOと回線が繋がらなくて...」
「は?」
空は依然として曇り、星は見えない。
「どういうことだ〜?もう一度接続してみろ」
「...いや、やっぱり無理、みたいです...」
「無理ってことはないだろ。だったらあれか?俺たちこんな田園ばっかの星で迷子か!?」
「見てください、これ...」
「なんだよ...『妨害電波受信』?誰がそんなもん飛ばしてるっていうんだよ!鳥とか蛙以外生き物見てねーぞ!どーゆーことだよ!」
「オワタ」
〜
そうして、先輩後輩は、林と田園しかない『小分県』を彷徨い続けることになった...
『なにもない』から安全とは限らない。
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