第47話 子供は大人の裏まで見ている
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一面白色で統一された医務室内にて、シグナムは医師と向かい合う形で座っていた。
彼女の表情はとても硬く、冷や汗が流れていた。まるで死刑宣告を待つ死刑囚のようだ。
「先生……結果はどうでしたか?」
診療の結果を待つシグナム。そんな彼女の前で医師は難しい顔をしながら診察結果の書かれていた紙を見ていた。
その表情から察するに余り良い結果ではないようだ。下手すると最悪の結果すらあるやも知れない。
その為か、医師が結果を言うのを渋っている。患者にとっては我慢出来ないシチュエーションと言えた。
「遠慮は要らぬ! いっその事はっきりと言ってくれ! 元に戻るのか? 元に戻らないのか? 私の、私の―――」
烈火の将らしからぬ目に涙を浮かべつつシグナムは医師の目を見つつも声を張り上げた。強気な女性が滅多に見せない弱気な一面。そんな一面に思わずキュンとなってしまう読者も居るだろう。
だが、そんな彼女の髪型は何故か非常に残念な仕上がりを見せていたのは言うに及ばずだったりする。
「私の……この髪型は何時になったら戻るんだ? あれから一向に戻らず、未だにこんなファンキーな髪型なのだ! 一体どうすれば元に戻れるんだ?」
「良いですか? シグナムさん。落ち着いて聞いて下さいね」
覚悟を決めたのか、医師が口を開き説明を始めた。それを食い入るように聞く態勢を取ったシグナム。
「貴方の症状は言わば【ドリフ爆発後ヘアー】と言う症状でして、普段なら2〜3カット辺りで元通りになる筈の病気なんです。しかし、此処まで長引くのは正直言って予想外なんですよ」
実際ギャグ展開の多い銀魂の中では比較的掛かり易い病だったりする。だが、それは銀魂の世界での話。なので別世界から来た人間が掛かる事はまず有り得ないのである。
従って守護騎士であるシグナムがこの病に掛かる事は至って稀な事だったりする。
その為にその病に掛かった時の症状の大きさもこの世界の住人の比じゃないのであったりする。
「そ、それでは……それでは私のこの髪型は何時頃治ると言うのだ!」
「まぁ、多分後2〜3話位はそのままだろうな。まぁどうせ何時かは戻るんだし気長に待つと良い」
それを聞いた時、シグナムの目の前が突如真っ暗になって行く感覚を覚えた。
後2〜3話近くはずっとこの髪型で過ごさなければ成らない。それは即ちその間ずっと沖田には勿論、真選組の面々に笑われるだけでなく、他の守護騎士達からは失笑され、主であるはやてにはその髪型を見る度に爆笑される日々を過ごさなければならないと言う事になるのだろう。
それを思うとシグナムの胸中はまるでブラックホールの如く真っ暗に渦巻いていたのは言うに及ばずだったりする。
まぁ、今回の話にはあんまり関係なかったりする。
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