第47話 子供は大人の裏まで見ている
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がやってくる。ちゃんと覚えてくれていたようだ。
「何だてめぇは、今日は大事な参観日だ。駄目親父はさっさと退場しやがれ」
「んだゴラァ、こちとらも大事な参観日で来たんだよ。ニコチンマヨラーはとっとと退散しやがれ!」
とまぁこれまた御馴染みと言えば御馴染みなのだが、早速顔を合わせた途端に銀時と土方が互いにメンチを切りあい始めてしまった。
喧嘩する程仲が良いとは良く言うが、この二人には適用しないようだ。
「はぁい、それじゃ今日は皆さんのお父さんお母さんについて発表して下さい」
教壇に立っていた先生がそう述べる。どうやら今日の授業はそんな内容だったらしい。
早速それぞれの生徒達が発表を始める。どれもこれも両親の事について自分なりに纏め上げたと言うが、年相応と言うか何と言うか、とにかく子供臭い内容が殆どだったりする。
が、それも最初の内だけ。こいつらの発表は他の生徒達とは一線を介した内容だったりした。
「はい、それじゃ次に、はやてちゃんとヴィータちゃん。二人は親御さんが一緒だから二人同時にお願いしますね」
次に教壇に上がったのははやてとヴィータだった。親御さん達の拍手で迎えられる中、この二人の発表は正に度肝を抜く代物であった。
「え〜、私の家族は、一言で言うと変態の集まりです!」
はやての開始一発目の一言に、その場に居た沖田と銀時以外の大人全員が盛大にずっこけた。まさか最初の第一行目でそんな大それた内容を持って来るなど誰が予想出来ただろうか?
「まず一番上の兄ちゃんは、一人の女の人を執拗に付け狙う世間一般で言うストーカーです。二番目の兄ちゃんは何時も目に気合入れっぱなしなんやけどマヨネーズと煙草に目がなくて、何かあるとすぐに【士道不覚悟で切腹だぁゴラァ!】って怒鳴ります。三番目の兄ちゃんはその二番目の兄ちゃんを亡き者にしてその座に居座ろうと虎視眈々と狙ってます。他にも色んな兄ちゃん達が居まして……」
その後も語られているが、要するに武装警察真選組の内情を滅茶苦茶暴露されてる様な物だ。しかも、先の文章から分かる通り、内容に出てきたのは近藤勲、土方十四郎、沖田総梧の三名だと言うのはお分かり頂けたと思う。
「いやぁ、的を射ていますねぃ。流石ははやてだ。俺達の日常を見逃さずこうして纏め上げるたぁ、将来が楽しみでさぁねぇ」
「俺ぁ逆に心配になってきたよ。ったく、もうちっと言い方ってのがあるだろうが」
はやての発表に沖田はご満悦のようだが土方は不満そうだった。そして近藤勲に至っては、彼の回りから女性陣が一斉に離れだしている光景が見えていたりしている。
「も、もう止めてえええええええええ! 俺の精神ポイントはとっくにゼロを振り切ってるんだよぉぉぉ!」
大の大人が涙を滝の様に流して泣き喚いている。何ともしがたい光景と言えた。
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