第47話 子供は大人の裏まで見ている
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じゃない、桂だ!」
最早お決まりの台詞とも言える一言を吐いた後、桂はそそくさと居間に用意されている客用のソファーに腰を下ろす。それに向かい合うように銀時も腰を下ろす。
「で、何だよ話ってのは?」
「先日、例のドリフト星の大使館が何者かに襲撃された」
「!!!」
桂のその一言を聞き、銀時の表情が強張った。ドリフト星大使館と言えば以前桂が情報を入れてくれた地上げ屋とつるんでると噂の奴等だったからだ。
そして、その大使館が昨晩襲撃されたと言うのだ。
「被害は甚大の様でな。しかも大使のカリヤを含め例の地上げ屋二人も死んでは居ないが半死半生の状態で屯所前に突き出されていたそうだ」
「何だそりゃ? 幾ら何でもそりゃないんじゃないの? 確かにあいつらってアニメだとゲストキャラ扱いだから使い方が難しいのは分かるけどさぁ、だからって俺じゃない奴がぶちのめすとかって有り得なくね?」
「そうでもないぞ」
意味深な発言をした桂。すると、懐から小型のテレビを取り出して銀時に手渡す。其処に映っていたのは大使館内の小型カメラの映像であった。
そして、其処にあったのは例の襲撃者の一部始終であった。
「これを見て何か思い当たる事はないか、銀時?」
「……あぁ、うん……良い腕してんねぇこいつ……いやいや、感心しちゃうわぁ、マジで」
「茶化すな! お前なら分かる筈だ!」
さっきとは打って変わっていやに強気な発言をする桂。その発言に銀時は黙り込んでしまった。
「お前なら分かるだろう。その襲撃者の太刀筋、そして戦い方が!」
「………」
「その襲撃者の太刀筋、それは紛れも無い。銀時、お前の戦い方と酷似しているんだ!」
桂の言い分は最もだった。映像に映っているのは銀時とは全く似つかわしくない人物であった。
白い着物に流れる水の絵が施された着物を身に纏い、顔には奇妙な仮面をつけて素顔を隠している。
得物はたった一本の木刀を使用しており、これで並み居る浪士達を次々に返り討ちにしていっている。
その映像を見ている銀時にも理解出来た。こいつの戦い方は俺そのものだと言うのが手に取るように分かったのだ。
映像に映っている人物の刀の振り方から身の返し方、抜き方から捌き方に至るまで、全てが自分の剣技と酷似しているのだ。
それに銀時は深い疑念を抱いていた。
「疑問を抱くのも無理はあるまい。お前の剣技は基本こそあの人から教わっただろうが、殆どが我流。即ち誰の真似でもない。従っておいそれと真似出来る筈がないのだ。だが、この映像の主はそれをいとも容易くやってのけている」
「こいつ、今何所に居るんだ?」
「所在は不明だ。俺達も全力を挙げて捜索しているのだが、一向に手掛かりが掴めん」
正にお手上げ状態であった。銀時は、再度映像に目をやった。映像の主は
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