第47話 子供は大人の裏まで見ている
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三下の子悪党だ。わざわざ相手にするまでもない。それに、今は銀時も忙しい身分だ。
こんな雑魚に構ってはいられない。
「はいはい、めんごめんご。悪いけど俺これから家帰って晩飯食わないといけないんだよ。健康は一日三食って言うからな。抜いたら大変だぜ」
「心配は要らぬ。すぐに冥土へ送ってくれるわ! そうすれば一々健康などに気をつける必要もあるまい」
聞く耳持たずとはこの事だろう。仕方ないと銀時は腰に挿してある洞爺湖と彫られた木刀に手を伸ばし、刀身を引き抜いた。
「木刀か……俺も相当舐められたものだな。それとも不殺を気取ってるつもりか?」
「別に良いじゃん。かのるろ○に○心だってやってたんだしさぁ
」
「嫌、剣心はちゃんと逆刃刀って言う刀持ってたじゃん! お前のは明らかに木刀じゃん! しかもやる気の欠片も見えないし! 古今東西お前みたいな堕落した主人公見た事ないぞ!」
「うっせぇよゴラァ! これでもなぁ俺ぁいざって時は煌くから良いんだよ! シリアス展開になったらバッチシ決めるから問題ねぇの!」
何時しか切りあいから一転して醜い罵りあいへと変貌してしまった。
はっきり言って見ているこちらとしてもかなり痛々しい。
このままそんな事を続けられててもはた迷惑な話でしかない。
「こらぁ、お前等ぁ!」
そんな読者の皆様の心を汲み取ってなのか、偶々周囲を巡回中だったお巡りさんに目をつけられてしまう。が、銀時は木刀なので大して問題はないのだが僧侶の方は大問題だったりする。
「廃刀礼のご時世に何て物騒なもん振り回してんだ!」
「げっ! い、いえこれは違うんですよ、偶々魔が差したって奴でしてねぇ……なぁ、お前も何か言って―――」
助けを求めようと銀時の方を見たのだが、その時既に其処に銀時の姿は見受けられなかった。
どうやら一目散にスタコラサッサを決め込んだ模様だ。
「とにかく、一度署で話を聞かせて貰おうか?」
「ちょっ、マジ勘弁して下さい! 俺この間免停食らったばっかなんすよ! これ以上警察のご厄介になったら確実にやばいんスよぉ!」
泣きが入っているようだがお巡りさんは一向に気にせず僧侶の首根っこを引っ張って連れ去って行くのであった。
あぁ無情、この世は正に廃刀礼のご時世也。この世がもし戦国の世とかバイオレンスな世の中であれば仕込み杖とか刀とか振り回していてもさして問題なかったのだろうが。
あぁ無情、この世は刀などのご法度な江戸の町なのであった。
***
どうにかこうにか胡散臭い僧侶から逃げおおせた銀時は、そのままの足取りで万事屋へと無事な帰還を果たした。そんな銀時を出迎えてくれるかの様に毎度御馴染みの面子が揃っていたのは既にご承知の事実だったり。
「お帰りなさい、どうで
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