第47話 子供は大人の裏まで見ている
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は多くの読者達の予想どおりと言うか何と言うか、結果としてあれだけあった軍資金は当然の如く無一文となってしまったのであった。
「やべぇ……俺の計画が目の前で音を立てて崩れていくのが見える気がする」
一体どんな計画を画策していたのか甚だ疑問なのだが。
とにかく、このままの状態で万事屋へ戻った場合は、必ず新八と神楽のダブルコンビにツッコミとストンピングの嵐に見舞われる事山の如しであろう。
流石にそれはまずい。非常にまずい。何せ暫くは銀魂名物のギャグパートなのだから、比較的銀さんの情けないシーンや堕落しきったシーンしか公表されない日々が続く。
其処へ来て娘が溜め込んでいた備蓄を勝手に持ち出した上に使いきってしまったなんて知れ渡れば最悪自分自身のイメージダウンにも繋がってしまうだろう。
それだけは避けなければならなかった。
「しかし、どうすりゃ良いんだ? あれだけの大金を早々手に入れる訳がないだろうし……かと言って知り合いに金持ってる奴ぁ居ないだろうし……ヅラでも警察に売り払えば多少は足しに……なんねぇよなぁ〜」
末恐ろしい事を呟いた後に、溜息を吐いてしまう銀時。それ程までに今の銀時は追い詰められていたのだ。まぁ、自業自得なのは変わりない事なのだが。
しかしこの男、如何に自分のせいだったとしても絶対に認める訳がない。断じてない。
そんな訳で何所かに金づるでも転がってないかとあちこち歩き回り始める。
だが、道に落ちてる小銭を拾い集めた所で銀時が使いきった額へ到達させるのは到底無理な話だったりする。
「封筒に入ってたのは……確か10万位あったから、今拾った60円で差し引きすれば……大丈夫、今日中には何とかなる筈だ!」
何を根拠にそんな事を呟いているのか?
そんな風にツッコミを入れたくなってしまう昨今。そんな我等の視線などアウト・オブ・眼中なまでにスルーしつつも、銀時はひたすら小銭の捜索を続けていた。
その動きはさながら乞食か畜生にも見て取れるのだから情けない事この上なかったりする。
「畜生でももう少し日陰で行うべきではないのかな?」
「あん?」
まるで上から目線で蔑むように言いつけてくる発言に苛立ちを感じつつ、銀時は視線を上げた。其処に居たのは唐傘を頭に被った僧侶を気取った男だった。
何故気取ったかを瞬時に察せられたか?
本来僧侶と言えば仏に使える身、もしくはそれに殉ずる者達を言い表す者達だ。
俗世を嫌い、ひたすら身を潔癖にする事と鍛錬を念頭にして生きている者達。銀時には到底出来ない役職だ。
だが、今目の前に居る僧侶にはそれにそぐわない匂いが染み付いていた。
そう、戦いと血の匂いがベッタリとこびり付いていたのだ。
「こんな生臭坊主で良ければ少しは恵んでやっても良いが?」
「あっそ、じゃ
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