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駄目親父としっかり娘の珍道中
第47話 子供は大人の裏まで見ている
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その発表に抗議する銀時。だが、そんな銀時に対し大人達からの冷たい視線が突き刺さる。そして、その視線は他の子供達からも一斉に突き刺さってきた。
「お父さんは発表中は静かにお願いします。それと、あくまで子供の発表ですのでそれにいちゃもんをつけるのはご遠慮下さい」
「い、いや! だからってこれはないんじゃないの? 幾ら何でも俺ボロクソじゃん? これってないんじゃないかなぁ?」
「良いから黙って発表聞いてろや、このダメ親父」
 グサリ!
 教師のその一言が銀時の胸に深く突き刺さった。胸を抑えて銀時はその場に蹲ってしまう。そんな銀時を土方は鼻で笑って見せた。
「ざまぁねぇなぁダメ親父。普段からちゃんとしてないからそうなるんだよ」
「るせぇや」
 普段だったらもっと言い返す筈だが、今回はそれで止まってしまった。言い返す気力もないようだ。
「お父さんは仕事の時でも怠けようとしたり逃げ出そうとしたりします。ちゃんと目を光らせてないとすぐに遊びに行っちゃうので毎日が大変です」
 その後もなのはの口から言われたのは痛々しい内容ばかりだった。次第に回りの目線が痛くなってくる。銀時のサン値がガリガリ削られていくのが音で分かる感じだった。
「だけど、お父さんは捨て子だった私を拾って育ててくれました。お父さんが拾ってくれなかったら、今頃私は江戸の土になっていたって良く言われます。それに、普段はだらしなくても何時も私の事を守ってくれます。普段はやる気がないのはこう言う時に全力全開で頑張る為だと私は思います。何時もはだらしなくても、本当はカッコいいお父さんだって私は思っています。だから、私はお父さんが大好きです」
 しかし、最後は綺麗に纏め上げてくれた。回りの痛々しい視線が徐々に消えて行くのが分かる。銀時も、その発表を聞き、思わず笑みを浮かべてしまった。
 こうして、ちょっぴり波乱万丈な授業参観は終わりを迎えるのであった。子供が大人をどう見ているのか? それを知る事が出来る良い機会だったのであろう。
 ……多分。




     つづく
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