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第七十一話 種族の頂点に立つ九人の王
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騎士たちを飲み込んでいく。

「さて、さっさと終わりにすっか!」

もう用もないこの場所を脱出するために翅を羽ばたかせて、守護騎士たちへと突っ込んで行った。



いきなり、本当にいきなり守護騎士たちの動きが変わった。今までは天蓋を守るように動いていた守護騎士たちがいきなり奇声を上げたかと思うと、捨て身とも取れる攻撃にシフトしてきたのだ。いきなりの動きの変化に最初こそ戸惑っていた種族九王と幹部たちだったが、次第にその動きにも慣れ始め簡単に対処できるようになっていた。

「いつまでこんなことをしているつもりだ!」

だが、やはり人間とプログラムとでは勝手が違う。肉体的な疲労がない仮想世界でも精神的な疲れはどうしても生じてしまう。対して、プログラムにそんなものはなく永遠と闘い続けることだってできてしまう。
さて、どうするか。ミレイユがそう思案していると天蓋の方から降りてくる一人のプレイヤーがいた。それを見て上で起こったことをある程度理解したミレイユが即座に指示を飛ばす。

「後退する!プーカから順にドームの外に避難しなさい!!殿は――」

「私とミレイユ、ユリウスで引き受けましょう」

そう言ってきたのはヴィクターだった。ヴィクターの言葉に特に反論はなかったのかミレイユとユリウスは特に何も言わない。他の九王も幹部たちも特に異議を唱えてくるものもいない。

「あ、あたしも――」

残る、とリーファが言おうとしたがサクヤがリーファの肩に手を置いてそれを制する。シルフ五傑に名を連ねるリーファでも種族九王にならぶことは無理だ。先ほどまでの闘いを見ていてリーファ自身も思っていたのか、特に何も言う訳でもなくおとなしく引き下がったが、その拳は現実なら血がにじむほど固く握られていた。
だが、後退しようとしたところで騎士たちの体からとてつもないプレッシャーが発せられていることに気が付いた。まるでキリトを突破させてしまったことへの怒りの様な。そして、リーファたちを意地でも生きて返すまいとでもするような。それでも、今回世界樹攻略に参加したものは翅を羽ばたかせる。メビウスの魔法が生きていれば後退も楽だったのだが、ドロシーの疲労によりメビウスの魔法の効果は既に切れていた。なので、攻撃をくらえばダメージを受けてしまうし、リメインライトにだってなってしまう。ここまできたら何としてでも全員無傷で帰りたいものだ。そう思っていた矢先、後退する者たちの頭上から、高速で光の矢が降り注いだ。

「うーん、やっぱりこうなるのかー」

エレミアが即座に魔法を詠唱する。

「エンチャント:エタニティ・インフェルノ!光の矢は私が食い止めるからお先にどうぞ」

そう言って広範囲攻撃の魔法で光の矢を相殺していく。その隙にプーカ、レプラコーン、スプリガ
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