フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第七十一話 種族の頂点に立つ九人の王
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結局行き着くところはそこだった。もちろん、こんなユリウスの性格を知っているからこそ、ミレイユはこれからの作戦を立てたのだが。
「さて、じゃあ、おっぱじめますか!」
そういうと、今まで手に持っていた槍を背中にしまうと、今度は今まで背負っていた槍を取り出した。
伝説級武器≪グングニル≫
何故か知らないが、この妖精郷に降り立った≪主神≫オーディンにユリウスが単騎で戦いを挑み、その実力が認められ報酬として渡された伝説級武器。その効果は、魔力を込めた量によって攻撃力のアップするのと通常攻撃の攻撃エフェクトを追加させるという≪アディション・シフト≫。例えば、槍を振り回せば通常攻撃と同軌道の魔力の刃が発生したり、突くを繰り出すと貫通能力を持つ魔力の刃が発生したりといろいろある。
「エリス、エレミア!!」
「りょーかい!」
「任せなさい!!」
ユリウスの呼びかけに力強く頷く二人。それを聞いたユリウスはグングニルに魔力を込め始める。メビウスの魔法で魔力が固定されているのでグングニルにはいくらでも魔力を注ぎ込める。限界までたまったことをグングニルがエフェクトで伝えると、ユリウスは――
「さて、行って来い、グングニル!」
天蓋のゲートがある場所に向かってグングニルを投擲した。光を纏ってものすごい速さで守護騎士たちの群れにむかって駆け上がっていく。
魔力を込められて投擲されたグングニルの追加効果は貫通能力の追加と地面などに着弾時に光属性の波状攻撃が発生すると言うものだ。
「ほら、ぼさっとすんな。行くぞ」
「へっ?・・・う、うわーーっ!?」
ユリウスがキリトの襟をつかんで、猛スピードで上昇していく。それはキリトが飛ぶよりも、リーファが飛ぶよりも速い。そのあと覆うようにエリスの指示でミラから巨大な火の玉が、エレミアからは彼女が得意とする広域殲滅魔法が繰り出された。
ユリウスに投擲されたグングニルは一条の閃光となって守護騎士たちを屠っていく。グングニルが通った場所は人二人くらい通れるような穴ができあがっていた。ユリウスはそのグングニルの作った穴へと入ると、さらに速度を上げて守護騎士たちを無視して翅を羽ばたかす。
ユリウスとキリトを追おうと守護騎士たちが動くが、そうはさせまいというタイミングでミラの巨大な火の玉とエレミアの広域殲滅魔法が守護騎士たちの行く手を阻む。当然、ミレイユは前衛陣を射線から退避させているので、その攻撃の餌食になるものはいなかった。
◆
ドゴォンッという音が響いた。それでもかまわずユリウスはグングニルの作った穴を疾走し続ける。すると、天蓋のゲート近くに来ると守護騎士たちの姿があまり見られなかった。てっきり、もっとギッシリと守護騎士たちがいるのかと身構えていたキリトは拍子抜け
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