フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第七十一話 種族の頂点に立つ九人の王
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の王≪黄昏の亡霊≫レイヴンが追い打ちをかける。必死になだめようとするアラン以外の三巨匠。アランはアクセルをなだめることは不可能と割り切っているのか、せっせとプーカに接近しようとする守護騎士をせっせと葬っている。
「さて、じゃあ、私もお仕事しようかな」
そう言って、ケットシーの王≪閃条の龍姫≫エリスは相棒である龍に向かって命令を下す。
「ミラ、ドラゴンブレス、用意!」
その命令を聞いたミラと呼ばれた龍は口を大きくあけ、炎をためていく。そして――
「放て!」
というエリスの命令が下ると、天蓋に向かってためた炎を吐き出した。前衛陣を通り越し、巨大な火の玉は天蓋のゲートを守っている守護騎士たちに向かって飛んでいく。避けるという選択肢がない守護騎士たちはその火の玉をもろに喰らう。着弾と同時に弾けた火の玉は無残に守護騎士たちを散らしていく。
「さて、じゃあ、ちゃっちゃと終わらせちゃおう。ルー!」
「はーい!ここにいるヨ!」
「集中砲火でさっさと道を作るよ!」
「りょーかい!」
その指示を受けると、アリシャ・ルーを含めたドラゴンに跨る戦士たちはブレス攻撃の照準を先ほどエリスが放った場所へと定めた。
「あとは、前衛陣まかせね」
自らの武器である矢をセットして弓の弦を引き絞った。
◆
「さっさと終わらせたいんだが・・・どうするよ、ミレイユ?」
「あなたの背中のそれでも使えばいいじゃない。前みたく」
「まあ、そうなんだろうけどさ」
「メビウスのおかげで使いたい放題でしょ?」
「まぁな」
襲い来る守護騎士たちを見事な槍さばきで蹴散らしながら歯切れの悪い返事をするユリウス。ミレイユはいつもの彼らしくない様子に疑問を浮かべる。
「どうしたのよ、一体?」
「いや、こうしてあらためて思うと・・・地味に俺の仕事多くね?」
「・・・そう言うことはもっと早く言ってよね!何でこんな時にそんなこと言うのよ!!」
「いやぁ、だって、なぁ?」
同意を求めるようにサクヤやセリーヌの方に視線を向けるユリウスであったが、会話の内容を理解できていないサクヤたちは目を合わせないようにすることしかできない。
「薄情者!少しはおれに同意してくれたっていいじゃないか!」
「いえ、同意するも何も・・・どのような作戦を立てて来たのかわからないので・・・」
「何ともいえないんです・・・」
サクヤとセリーヌがそう言うと、ユリウスはあー、そうだった、説明してなかったなーとかぼやいている。それを見たミレイユは相変わらずのやり取りに呆れていた。昔は結構頻繁に見れた光景の一つだ。
「まぁ、めんどくせぇが、やるしかないんだよなぁー」
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