フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第七十一話 種族の頂点に立つ九人の王
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ンチくらいの球体が十個現れた。その魔法をルシフェルは知らない。ルシフェルが知るエレミアが多用する魔法は“グラン・グリモワール”というアイテムから習得することができる最強クラスの魔法。妖精郷で“最も凶悪”な攻撃魔法。
伝説級魔法≪荒れ狂う混沌の世界≫
その中でも広範囲を焼き尽くす事に長けた殲滅魔法と超長距離爆撃魔法のみだ。他にもいろいろあるらしいのだが、使い勝手がよく無いらしく使っている所をあまり見た事が無い。だからこそ、ルシフェルは先ほど前衛陣を気遣って容赦なく呪文詠唱に入ったエレミアに驚いた。
そんなエレミアの初めて見る魔法に、若干の不安を覚えながらもルシフェル達は見守ることしかできない。
そんな事を知ってか知らずか、エレミアは完成した魔法の照準を天蓋に向けると、先に後方から放たれた火の玉を追うような形で己の魔法を放つ。前衛陣を通り抜け、火の玉で焼き払われて数の減った守護騎士たちに追い打ちをかける形でエレミアの魔法が生き残った守護騎士たちに命中すると、そこから爆発が奥に伸びていった。
「着弾と同時に奥に爆発が広がる魔法よ。直線的な弾道しか取れないけど、こういった戦いでは広範囲殲滅よりも貫通力に飛んだ一点集中型の魔法のほうがいいのよ。覚えておきなさい」
唖然とするルシフェルにエレミアは講師口調でルシフェルに言う。その感じに若干の懐かしさを覚えつつ唖然としながら首を縦に振る。それを見たエレミアは昔を思い出したのか、クスッと笑うと再び魔法の詠唱に入っていく。ルシフェルも、他の七大罪たちもエレミアに続いて魔法の詠唱に入る。それと同時にいくつものバフが発生した。
◆
「・・・・・・またあなたとともに戦える日がくるとは思ってもいませんでした」
「ええ、私もです。正直頼まれでもしなければ来る気はありませんでしたから」
そう話しているのはウンディーネ領主ドロシーと≪霊水の巫女≫メビウスだった。
「詳しい話は後にしましょう。先ずは皆の支援が先です。あなたは回復魔法で魔力の回復を、私はバフを担当します」
そう言って、詠唱に入るメビウス。バフを担当するメビウスが使う魔法はこの妖精郷で“最も狂った”支援魔法だ。エレミアの持つ伝説級魔法≪荒れ狂う混沌の世界≫と並ぶ最強クラスの魔法。
伝説級魔法≪静穏なる原初の世界≫
その中でも、チートにも程があると全プレイヤーが声をあげた魔法。それ以上バフとしての効果はないと思える魔法。その効果は、魔力が続く限り術者以外のパーティーメンバーの体力と魔力を固定するというものだった。
しかし、ALOはレベル制ではなくスキル制のVRMMORPGである。そのため、体力とマナは多少の伸び幅はあるとしてもあまり伸びないこともあり、通常のプレイヤーなら十秒
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