フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第七十一話 種族の頂点に立つ九人の王
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リスとエレミアの射線に入ってからよ!」
槍で守護騎士たちを屠りながらユリウスはキリトに向かってそう警告する。あまりその意味を理解できず、首をかしげながらもその場を引くと先ほどまでキリトがいた場所を巨大な火の玉と十個の球体が一直線に通り過ぎていく。その球体たちを眼で追うと、守護騎士にヒットすると巨大な爆発をおこし、さらには後続の球体が奥に爆風を広げて守護騎士たちを焼いていく。それを見たキリトの背中に冷や汗が流れた。
「もし、あれに当たりたかったんなら余計な警告をしてすまなかったな」
「・・・・・・いえ、ありがとうございます」
真顔でそう言うユリウスにキリトは礼を述べることしかできなかった。
◆
「≪軍神≫と≪風神≫ってことは・・・!?」
「当然、私たちもいるわよ」
予想外の人物の登場に唖然とした様子で前衛陣を見上げていたルシフェルはハッと気づいたように声を上げると、その言葉を引き継いだ人物がいた。
「エミリアさん・・・」
「ええ、久しぶりね、ルシフェル」
黒いマントととんがり帽子をかぶったエレミアと呼ばれた魔女風の格好をしているプレイヤーはにっこりとほほ笑みながらルシフェルに向かって軽く手を振っている。
「・・・どうして、ここに?」
「知り合いに頼まれちゃってさー、おもしろそうだからギルドのみんなで来ちゃった」
「ギ、ギルド?」
「ええ。実はね・・・私たち、レネゲイトされた後ギルド作ったの」
「ってことは・・・みんなっていうのは・・・」
「ええ。種族九王のことよ」
エレミアがそう言った瞬間、入り口付近からけたたましい雄叫びと共に白銀の鱗を纏った西洋龍が乱入してきた。それを見た種族幹部たちは顔をひきつらせた。
「ま、マジ、ですか?」
「マ・ジ・よ!」
語尾に音符マークが浮きそうなほど楽しそうにつぶやくエミリアは魔法の詠唱に入る。その詠唱を聞いたルシフェルは再び顔を盛大にひきつらせた。
「ちょ、ここからぶっ放す気ですか!?前衛陣がみんな吹き飛びますよ!!」
「大丈夫よ。当てないようにするから」
「いや、そういう問題じゃないでしょ!」
だが、それでもエレミアの詠唱は止まらない。助けを求めるようにレヴィアたち七大罪に眼を向けるルシフェルだが、レヴィアを含めた他の六人は諦めろ、とその表情が言っていた。
まぁ、七大罪の全員が止めに入ったとしても、とまったためしが無いエレミアだ。それを知っていても前衛陣の安全の為に必死で止めようとするのだからご苦労痛み入る。それでもエレミアは止まらないが。
そんなやり取りの中、魔法の詠唱が完成する。今回エレミアが使用した魔法はエレミアの周りに直径二十セ
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