フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第七十話 総力戦
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
援魔法との掛け合せもできるため、今回の様な団体戦においてプーカから得られるバフと言うのは非常にありがたいものがある。
しかし、守護騎士たちは容赦がなかった。
「・・・くぅ〜!?」
六詩人の誰かが苦悶の声を漏らす。プーカの行う楽器演奏は使用者にしか見えない“楽譜”と言うものが存在し、右から左に流れていく音符を正確に弾かなければならない。今、六詩人が演奏している曲は六重奏の曲であり、その効果は一人で行う楽器演奏で得られる効果の約七倍となっているが、その分難易度は格段に上がる。一人でもミスをすれば即座にファンブルしてしまうし、“楽譜”も通常のものより高難度になっている。だが、それだけならば最古参で演奏し慣れている六詩人たちには何の障害にもならない。問題となってくるのはこの場に湧出する守護騎士たちだ。彼らはプーカに好きにはさせないと“楽譜”に偽の音符を交えたり、一時的に楽譜を見えなくしたりと色々な細工をしてくる。そのため、プーカ達は何とか曲を繋いでいるため、他の場所へ気を回す余裕がない。また、プーカの周りでは演奏を物理的に妨害してこようとする守護騎士たちをノームとスプリガン、レプラコーンがプーカを守りながら戦っている。
「このままだとジリ貧で負けるな」
そうボソッと呟くルシフェル。あらためてこのクエストにたった九人で挑んで無事生還してきた初代領主の凄まじさを痛感した。だが、無い物強請りをしていても仕方がない。また、先が見えない状況での強化魔法(エンチャント・スペル)は自殺行為だ。ポーションはできる限りは持ってきているが、それでも数には限りがある。なのでルシフェルは魔法の詠唱に入った。
ふと上を見上げてみると、前衛陣は四分の三まで上り詰めていた。
◆
「ドアアアアアアッ!?」
「おいおい・・・」
気合の入った声と共に剣を振るうのはユージーン。相も変わらない湧出する守護騎士たちの数に呆れながら剣を振るうのはフォルテ。モーティマーは戦闘に向かないのでここにはいない。
「・・・一つ聞いていいかしら、フォルテ?」
「どうした、セリーヌ?」
脇からキリトに近づこうとする守護騎士を屠りながらシルフ五傑のセリーヌがフォルテに近寄り話しかけてきた。それをフォルテは守護騎士たちの相手をしながら応じる。
「前にサラマンダーがこのクエストに挑んだ時もこんな感じだったのかしら?」
「ああ、まさしくこんな感じだった」
その時を思い出しながらしみじみと頷くフォルテ。それを聞いたセリーヌはそう、と頷くと魔法を詠唱して発動させる。四、五体の守護騎士を倒すがすぐに湧出してしまうため、焼け石に水状態だった。
チラリッとキリトの方を見るが、あちらもなかなか芳し
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ