フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第七十話 総力戦
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、他の種族の領主たちもモーティマーの作戦に異議を唱えなかった。だが、モーティマーの言いたいことを理解していない者もいた。
「え、えっと、俺はどうすれば?」
「・・・・・・貴様は前衛と一緒だ。俺たちは貴様をサポートしなければならないらしいからな」
ここで漁夫の利を得ようとして動けば即座に他の種族たちから攻撃されるのは目に見えているため、うかつに動くことができない。ならば、もう諦めてさっさとこんな作戦終わらせるに限る、とモーティマーは心の中で思う。
「・・・さっさと行くぞ」
そう言って石造りの扉へと歩を進める。その姿を見たルシフェルは面白そうな表情で呟いた。
「なんだかんだで一番やる気になってるのってあいつじゃね?」
◆
「うおおおおおおおお!!」
「元気がいいねぇ」
鬼神の如く闘うキリトの姿を遠目で見たルシフェルはほのぼのとそう呟く。
「馬鹿なこと言ってないで、ちゃんと戦ってください!」
「へいへい」
ドロシーに注意されながら思考を闘いへと引き戻すルシフェル。現在は入り口から半分くらいの距離まで前衛陣が昇っている。キリトを囲うようにサラマンダーの二人とシルフ勢が守護騎士たちを倒していくが、処理が間に合わずキリトの方へと抜けてしまう。それをキリトはしょっていた大剣じみた片手剣でバッサバッサ斬り倒していく。その近くではリーファもキリトの背を守るように立ち回っていた。
中衛陣はウンディーネが前衛を中心に支援魔法及び回復魔法をかけ、インプは専ら前衛が手の回らないアウトレンジの敵を魔法で屠り、ケットシーのドラグーン部隊もその火力を生かして守護騎士たちを薙ぎ払っていく。
「うーん・・・ロゼ、こっちに支援もらえねぇか?」
「無理ですっ!っていうか、話しかけないでください!!こっちはこっちで手一杯なんです!!」
ルシフェルの要請にロゼは必死の形相で叫んだ。
プーカは楽器演奏と歌唱を得意とする種族である。一見すると、戦闘では役に立たない娯楽のみの種族に見られがちだがそんなことは断じてない。なぜなら、プーカの行う楽器演奏や歌唱は味方のパーティー及びレイドにバフを与えることができるからだ。だが、それだけなら支援魔法で事足りるという声も上がるだろう。しかし、支援魔法とプーカが行う楽器演奏や歌唱とでは大きな違いがある。それは――持続時間である。通常の支援魔法では○秒間や○分間など時間的な制約が付くのが当たり前である。その制約がなかったとしても支援魔法を使うたびに魔力を消費してしまうこともデメリットにつながるだろう。魔法だから仕方がないと言えば仕方がない。だが、プーカの楽器演奏や歌唱は魔力を必要とせず、スキルさえとっていれば発動は可能であり、尚且つその演奏を行っている限りバフは有効とされ支
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