繰り返しと痛み
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練習場に通い始めてからしばらくしたとき、
更衣室で着替えていると奈々先輩と唯が来た。
「いままでごめんね。」
え?ってなった。
急に謝ってきたから、びっくりした。
本当はすごくむかついた。でも、
「いいよ。」
っていった。
もうこれ以上は嫌だったから。
沙羅にも謝られた。
奈々先輩は言った。
「桃香はね、あんたの悪口ばっかでね、嫌いなんだって。
いじめ始めたのもあの子なの。」
許していいの?
私は今まで辛かった。
彼女にも味あわせてやりたかった。
今思えば、この頃の私は狂っていた。
もっと早くに気づいたらよかったのに。
次の日から、桃香は避けられた。
それは、まるで少し前の私を見ているようだった。
桃香はハブられていった。
私のように、あえて一緒にいるなんてことができなかった桃香は
部活に来なくなった。
私は罪悪感と優越感の入り混じった思いでいた。
それから桃香は練習場にも来なくなったある日。
久しぶりに桃香が来た。
彼女は泣いていた。それはもうぼろぼろに。
「ごめんね。本当にごめんね。うち、たくさん傷つけちゃった。本当にごめん。」
彼女は大粒の涙をこぼして私に頭を下げた。
「また、私と仲良くしてくれませんか?」
そう、涙で腫れた目をして言った。
私はそのとき、自分が卑怯だって思った。
いじめられたからって、いじめで返してもなんにもならない。
自分も相手も傷ついていくだけだって。
「わたしもごめんね。本当にごめん。また、仲良くしてこうよ。」
お互い苦しんだ。お互い傷つけた。
そして知った。本当の真実を
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