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世紀末を越えて
解放
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が、どういう訳か体感的についさっきまでの出来事より親近性を帯びてしまうのだ。いや、そこでわたしはその感覚自体が絶対的な特殊な意味を持つものではないと気が付いた。それはあくまで相対的な特殊さでしかないと。私がおかしいと気付いたのはこの空間だった。この空間が私に取っていかに特殊で新鮮なものなのか、そんな遥か昔という言葉から連想される私との距離は、今この私を取り巻く環境よりも近しく感じてしまう。なぜだかそんな気がしてしまったのだ。昔樂間君から「君にはニル、アドミラリィの気質がある」と言われた事がある。でもそんな事はただ「知っている」から驚かない。それだけの事らしい。人が何をどれくらい物事を意識して、どれくらい「知っている」ふりをしているかなんて、他人には分からないし、比べる事だって出来ない。でその人個人の意識の中では分かる事。私がこれほど周囲の環境を意識したのは生まれて初めてかも知れない。私は心が躍った。これが未知との遭遇か。と。私はこの時、私自身の「知っている」ふりという拘束から解き放たれたのだ。
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