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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
16話
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俊吾はそう言って、楯無を抱きかかえる。
「…………この体制ってどうにかならないの?」
「どうにかしたいんですけど、他って無理じゃないですか。楯無さんの怪我背中だし」
「それはそうだけど……」
「とりあえず、飛びますよ」
俊吾は上昇した。そして、その途中で楯無の怪我が風で痛んだらどうしよう、と思った。
「楯無さん。背中の傷って風でも痛みます?」
「まぁ、多少はね。そこまで浅い傷じゃないのは自分でわかるし」
ん〜、そっか…………なら、シールドを風よけに使うか。
俊吾はシールドをコール。そのまま風が楯無の傷に風が当たらないように配置して出発した。
「別に気にしなくてもよかったのに」
「そうはいきませんよ。それで怪我が悪化したら大問題ですよ」
俊吾がそう言うと、何を言っても結局自分を心配するようなことしか言わなだろう、と分かったらしく何も言わなくなった。そして、少し経つと口を開いた。
「……ねぇ、俊吾くん。今回の作戦に俊吾くんって選ばれてたの?」
「……いえ。選ばれてません」
「ってことは、勝手に出てきたの?」
「そうですね」
「何で…………?」
「?」
「何で……出てきたの?」
「それは……楯無さんが負傷したって聞いて、いてもたってもいられなくなって……。もし、楯無さんの身に何かあったら…………心が持つ自身がありません」
「…………」
「だから、勝手に出てきたんです。懲罰を受けたって何されたって。…………何もしないで失うなんて後悔は二度としたくないんです」
「………………」
それ以降、二人は何も話さなかった。
◇ ◆ ◇ ◆
「とりあえず、良かったです。怪我は何ともなさそうで」
「本当、良かった…………お姉ちゃんが無事で……」
旅館に着いた俊吾と楯無は一通りのメディカルチェックを受けた。俊吾は大きな怪我はなく、何事もなかった。楯無も怪我は少し酷いものの、跡は残らないだろう、と医師は言っていた。面会が許可されると簪が直ぐに楯無の元に行き、楯無の無事な姿を見て安堵していた。
それと、勝手な行動をした俊吾の罰則については、作戦終了後とのことだ。
「問題は……一夏、か」
一夏は傷こそ深くはないが、意識が戻らない。理由は医師にも分からないようで、現在は別室で安静とのことだ。
「でも、傷自体は問題ないんでしょ?」
「ええ、そうらしいですけど」
「じゃあ、後は一夏くんの気持ち次第ね」
「そうですね……」
あと一人、傷こそ受けていないが心の傷が出来たしまった者もいる。俊吾はその一人をどうするか少し迷っていた。
「……あの、俊吾君。篠ノ之さんの所…
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