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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
16話
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ん?ああ、そうだけど」

「何か、凄いな、あれ」

「はは、まぁ、これは少し特製なんだよ。というか、そろそろ箒さん助けに行かないと……」

そう思い、箒の方向を見ると、凄いことが起きていた。

「……何か、圧倒してない、あれ?」

「だよな……。俺たち、必要なのか…………?」

箒が銀の福音を圧倒していた。スピード、パワー、機動性。全ての点で銀の福音を圧倒し、何もさせていなかった。

「すげぇ……」

一夏はそう呟いた。だが、俊吾はその状況を楽観視できないと思っていた。

……確かに凄いけど、何かがおかしい。銀の福音の動きが目に見えて何かをしようとしている。そのために、エネルギーを貯めている…………?

「まずっ……」

俊吾がそう言った時には遅かった。銀の福音が急上昇し、クルリと回った。すると、高濃度のエネルギー弾が広範囲に放たれた。箒は完全に油断していて反応できていなかった。一夏は箒を庇うように、箒を抱きかかえるため瞬間加速を使い、エネルギー弾と箒の間に割って入った。

俊吾は途中で、近くに浮島に楯無がいることを思い出し、高速移動パッケージのブーストを最大限加速させ、浮島に向かう。直ぐに楯無の前に立ち、シールドを展開。エネルギー弾を防御。シールドで防ぎきれないものは体を盾に楯無を守った。

―――ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!

エネルギー弾が一帯を襲う。一瞬、煙で何も見えなくなる。煙が晴れると、自分の体が無事なことがわかる。だが、それよりも俊吾は楯無のことが気になった。俊吾と違って楯無は生身なのだ。

「楯無さん、大丈夫ですか……?」

「ええ、大丈夫だけど…………あ、俊吾くん、腕から血が……!」

先程は気づかなかったが、腕を負傷していたようだ。だが、そんなことはどうでもいい。

「これくらいなんともないです。それよりも、少しマズかもしれません」

「え?」

『一夏!一夏!!!目を覚ましてくれ!!!!!』

先程、繋いだチャンネルから箒の泣き叫ぶような声が聞こえてきた。一夏が意識を失ったらしい。

「……これは無理にでも撤退したほうが良いかもな」

問題は銀の福音か……と思っていると、銀の福音が動き出した。箒たちとは反対の方向に。

「これは好都合か……。作戦はあれだけど、戻ったほうがいいな」

俊吾は箒に聞こえるように言った。

「箒さん、一時退却だ」

「しゅ、俊吾!一夏が目を覚まさないんだ!」

「それは分かってる。だから、早く旅館まで飛んでくれ。そうすれば何とかなる」

「わ、分かった……」

箒はそう言って、全速力で戻っていった。

「……いや〜、速いなぁ。じゃ、こっちも一旦戻りますよ、楯無さん」

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