第六十三話 明かされる秘密その十三
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「それって」
「うん、神話の頃から殺し合ってたんだ」
「それでその神様に力を提供してたなんて」
「考えもしなかったよ。ただ」
「ただ?」
「言われてみれば納得するよ」
戦いのことをというのだ。
「そうしたものだってね」
「実感として理解出来るのね」
「本当にね。ただ」
「ただ?」
「そんな戦いはね」
どうかとだ、彼は難しい顔で述べた。
「本当に終わらせないとね」
「駄目よね」
「最初からそう思っていたけれど真相を知って余計にそう思ったよ」
神話の頃から転生を繰り返してそのうえで力を発散してセレネー提供する、そうした戦いはとてもだというのだ。
「あってはならないね」
「ええ、だからなのね」
「僕は戦いを止めるよ」
絶対にというのだ。
「何があってもね」
「戦い、止めてね」
「この戦いでね、だから工藤さんと高橋さんにもね」
聡美とマガバーンが話すその場にはいなかった二人の同志達にもだというのだ。
「お話しておくよ」
「そうするのね」
「うん、そうするから」
絶対にだと、上城は樹里に語った。
そして語ってそのうえでだった。
樹里の家の玄関まで来た、そこでだった。
「またね」
「また明日ね」
「明日学校が終わったらすぐに工藤さん達のところに行くよ」
それでだというのだ。
「お二人にもお話するよ」
「そうしよう、私も行くから」
「来てくれるんだ」
「決めたから、私は戦えないけれど」
剣士ではない、それでは無理なことだ。
だがそれでもだと、樹里は上城のその顔を見て言うのだ。
「上城君をサポート出来ることもあるから」
「そうしてくれるんだ」
「何でも言って、私に出来ることなら」
「何でも」
「そう、何でも」
決意している顔で告げる。
「足手まといにはならない様にするから」
「じゃあ」
「今日はこれでお別れだけれど」
家の玄関まで来た、それならだった。
「また明日ね」
「うん、明日もお願いするよ」
上城は微笑んで手を振った、樹里もまた。
二人はこれで別れた、聡美は彼等を遠く離れた場所から見送っていた。
その彼女にあの声が言って来た。
『全て話したのね、彼等ね』
「はい」
その通りだとだ、聡美はその声の主であるセレネーに対して答えた。
「そうしました」
『そうなのね』
「お姉様、もう本当に」
『言った筈よ、私は何があっても』
「力を集められてですね」
『神話の頃から』
決意している、だからだというのだ。
『もうすぐ、本当にもうすぐなのよ』
「エンディミオンが神になるのですね」
『愛しい方と共にいたい』
セレネーの言葉には切実なものがあった。
『貴女にもそのことがわかる筈よ』
「オリオーン」
過
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