BEST FRIEND
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週刊ソーサラー。毎週水曜日発売。
新しい魔法商品やホットなギルドの紹介、美人魔導士のグラビアなどで人気を博する魔法専門誌だ。
妖精の尻尾の魔導士からも、美人だと評判の看板娘ミラや、その恋人であり「彼氏にしたい魔導士ランキング」上位ランカーのアルカが何回かモデルを務めた事がある。
今回は妖精の尻尾の大特集という事で、その週刊ソーサラーがギルドに取材に来るのだ。
そして・・・誰よりも張り切っている者が1人。
「ばっちりエビ!」
「ヤバい・・・今日のあたし、ちょっとかわいいかも」
ルーシィである。
ただでさえ露出の多い格好をしているというのに、今日はキャミソールにショートパンツ、髪もアップにしていた。
「あたしの存在を大陸中にアピールするのよ!」
「有名になってどうするエビ?」
――――ルーシィが家で浮かれている間は、まだ知らなかった。
まさか・・・あんな惨劇が起こるとは・・・。
ギルドは騒がしかった。
否、過去形ではなく、現在進行形で、騒がしい。
昨日3時間を超えるティアの説教の後に綺麗に片付けたギルドは、いつもの様にごちゃごちゃしていた。
「うわー、ありえないくらいゴチャゴチャしてんじゃん・・・」
「せっかくの取材日なんだし・・・ここっていろいろ問題起こすから問題視されてるし、ここらで評判あげておきたいよね」
いつもと変わらないギルドの様子にルーシィが呆れ、ルーが笑う。
―――自分がギルドの10本の指に入る問題児だという事は綺麗に忘れているが。
「まぁ、この方が妖精の尻尾らしくていいんじゃないか?」
そんな2人にエルザがそう言うと、ルーシィは嬉しそうに笑い、ルーはクスクスと微笑んだ。
「エルザ、変わったね」
「そうか?」
「うん。楽園の塔の一件があってから変わったよ。だって今までなら・・・」
そう言って、2人は『今までのエルザならどんな図か』を想像する。
『片付けー!汚いぞー!仕事行けー!』
思い浮かんだのは、だらけているメンバーに喝を飛ばしまくるエルザだった。
「今は新装パーティのようなものだろう?少しくらいハメを外すのも若者の特権だ」
「少し、ねぇ?」
「全然少しじゃない気もするけど・・・」
そんな会話をしていると、ルーがとある事に気づいた。
「そういえばエルザ、鎧新しくしたの?」
そう。
エルザの普段着である鎧が新調されているのだ。
「うん・・・やはりこの方が落ち着くんだ。ハートクロイツ製の新しいモデルだ」
胸の辺りにギルドの紋章が描かれた新しい鎧について、エルザが少し得意げに話していると―――
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