二日目 夜
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「何があったか話してくれるか......?」
ミールが俺を真正面から見つめ、聞いた。
俺が冒険者の男三人組を倒した後、騒ぎを嗅ぎ付けた衛兵達が現れた。そこにはもちろん衛兵長のミールもいて、重傷を負った三人組を確認するとやりきれない表情で俺を拘束した。
そして今は衛兵宿舎の個室という名の尋問室で数人の衛兵に囲まれて、ミールに取り調べを受けている。
「別にヤクモが悪いと言ってる訳じゃないのよ。周りの住人から聞いて、正当防衛だって、証言も取っているし、ただ一応当事者からも聞かないといけない原則があるの。だから、お願い」
.....分かった。
俺は大男三人組と出会った経緯や襲われ、反撃をした事を話した。
「そう、じゃあ全面的にあっちが悪いのね」
そうとしか言いようがない。
「でも、あれはやり過ぎじゃない?腕や足を.....」
自業自得だ。それにあの手の輩は更正の見込みも期待できないだろう。あれくらいすれば二度とバカもできない。
「そうだけど.....」
ミールは俺の話に若干引きぎみになるが、笑みを絶やさぬよう続ける。
「にしても、あの三人組相手に勝つなんて凄いわね。あいつら、腐ってもCクラスの冒険者なのに、もしかして結構ヤクモって強いの?」
腕には自信がある。絶対的に、とは言えないが。
「それでも凄いわよ。どんな魔法か聞きたい所だけど、ヤクモは馬鹿じゃないからね。自分の手の内をさらす真似はしないでしょ?だから今日はこれで終わり」
ミールは俺の背後の衛兵に目配せすると部屋を出た。
「ご協力ありがとう御座いました。外までお連れします」
衛兵に続き、部屋を出た俺は玄関まで見送られ、衛兵の宿舎を出る。
暗い空が見下ろし、冷たい風が肌を叩く。
(今日はもう宿に向かおう)
「はい、こちらこの町一番の安宿、マイホームだよ。一泊500ギル、飯付きなら700ギル。どうする?」
飯無しの500ギルで頼む。とりあえず一週間分払っておく。
宿屋の女店主に3500ギル支払う。女店主が無造作に鍵を投げてきたので、片手で取る。
「それが部屋の鍵。それと相部屋の相手と問題起こすんじゃないよ」
相部屋?一人部屋じゃないのか?
「贅沢言うんじゃないよ。こんな宿屋に来る程金がない冒険者のくせして。嫌なら他に行きな」
.....仕方ない。
俺は鍵を持って、自分の部屋に向かった。
(他に行けとは、日本じゃ考えられない態度だったな。他の割高の宿屋では違うかもしれないが)
格安の割りには無駄に長い廊下を歩き、自分の部屋に着いた。
ガチャッ。
「わっ!誰?」
しばらく相部屋になる。
そんな音を立てて、扉を開くと少年?が自分のベッドで
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