Introduction
第十三話 亡国機業
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も同じ答えしか返ってこない気がする。ついでにそれを僕は料理とは認めない! それを平気で食べているらしい束さんが本気で心配になってきた。以前は確かにサプリメントとか携行食のような物ばかりだったけど。
しかしクロエも、口調や物腰から感じた、常識人という第一印象とは裏腹にどこかズレている。やはり束さんと付き合える人間はまともじゃ無理なのかな……。千冬さんもなんだかんだで天然なところあるし。
あれ? その理論だと僕もまともじゃなくなる……いや、そんなことない。ない……よね? でもよく考えたら小学生のころからハッキングさせられたりIS開発手伝わされたり一般人とは程遠いかな。そもそも現状、唯一の男性操縦者だったりその上で女性として学園に入学とか……あはは、一般人の要素が微塵もないや。
「ん〜? なにやら凹んでるみたいだけど気にしない方がいいよ! それより君にケガさせた連中のことなんだけどね、途中までは探知できたんだけどそこから見失っちゃった。ごめんね。とりあえず中継地点に使われたらしい建物の企業は社会的にも物理的にも消滅したから安心してね」
いやいやいや、全く安心できないんだけど。というか何やったんだろう、システムにハッキングして不利な情報を公開したり、ミサイル撃ちこんだりとか普通にやってそうだなぁ。怖いから聞かないけど。
「束さんが追跡し切れないってなかなか厄介な相手だね」
「規模が大きいから絞りきるのが難しいんだよね〜。世界に喧嘩売るつもりでやれば何とかなると思うよ。やってみる?」
「いえ、全力で拒否します」
例え世界中を敵に回しても束さんならなんとかしてしまいそうで怖い。
「さて、しーちゃんが出ないトーナメントには興味ないし私たちはそろそろ帰るね〜」
「それでは、紫苑様」
「あ、うん。わざわざありがとう。クロエ、僕が言うのもなんだけど束さんのことよろしくね」
「はい、かしこまりました」
相変わらず気まぐれで帰ると言い出した束さんを見送りながら、クロエに束さんのことをお願いする。今まで身近に理解者も味方も少なかった束さんを支えることができる人が増えたのは喜ばしい。
僕にはクロエのことはわからないし、二人の出会いや関係も結局教えてくれなかったけど、彼女たちのやり取りを見ていたらそんなことは関係なく信頼しあっていると感じられた。何より、束さんが信用しているのだから僕も何も言わずにクロエを受け入れ、信用することにした。
二人が部屋を出てしばらく、すっかり静まり返った部屋に今度は虚さんがやってきた。彼女とは、生徒会発足の折に紹介されて以来、楯無さんを通さなくても時々話をしている。共通話題は主に楯無さんについてだったけど、彼女に対しての苦労話をすることですぐに打ち解けてしまった。
「紫音さん、具合は
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