一部 高校一年
川神一子の師範代ロード
4話 開幕、球技会
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大和が怪訝な表情をしている。
・・・川神ボールというからには特殊な競技なんだろうが。
「川神ボールは基本的に野球と変わらん、違うのは前半と後半が時間で分かれているところと、ボールを持った守備が走者に攻撃してよく、守備はボールを当てなければアウトにできないという点だな。もちろん、ボールを持った守備に走者が攻撃するのもありだ」
モモ先輩が補足してくれた。
「さすが川神学園といったところか」
川神学園には依頼制度等のいくつか特殊な校風があるが、その最たる例が決闘である。決闘とは生徒が各自一枚持っている校章の入ったワッペンを相手の前に置き、それに相手がワッペンを重ねることで発生する。そうすることで生徒は先生の立会いの元で戦うことが出来るというわけだ。
「すごい競技だね、情報収集なら僕にも役にたてそうだ」
「俺様、燃えてきたぜ!」
「俺が、格好良く決めてやるぜ!!」
「戦略も絡んでくるな、面白そうだ」
「投手なら、お任せ」
「あたしも活躍するわよ!!」
・・・みんなやる気なようだな。俺も割と楽しみだ。
「何より、あのS組の連中をぶちのめしてやるぜ!! あいつら、一々人を見下しやがって、雪たちには悪いが許せねえ!」
「うちのクラスへの嫌がらせとかもひどいからね。特に不死川心とか」
・・・s組というのは成績上位五十位以内しか入れないエリートクラスで、問題児の多いF組を何かと見下してくる。雪たちや女王蜂なんかもS組に所属している。不死川心というのはS組の生徒のひとりで日本三大名家の不死川家の娘でもある。人を見下すことを当たり前として育ってきた。ので、F組どころかS組でも友達がいない寂しいやつだ。
「頑張れよ、お前たち」
・・・たしかこういう行事はモモ先輩、見学なんだよな。かわいそうだが仕方ないか。むしろ、出てしまったらモモ先輩の相手がかわいそうなことになってしまう。
「私はそれまでになんとか、体を自由に動かせるようにならないとね。このままじゃ活躍どころか足でまといになっちゃうわ。修行に行ってくる。」
「無理はす・・・いや、頑張れよワン子」
モモ先輩は一瞬心配そうな顔になったが、すぐに首を振り笑顔で言い直した。
「うん!!」
ワン子とそれに続いてゲンさんが秘密基地を出て行った。
・・・無理するなよ。か、今の無理をせざる状況にした私が言えることではないな。どうか、大怪我だけはするなよ。そして出来ることなら、覆してくれ、私の結論を。百代は静かに心の中で祈っていた。
「何かさ、最近やけにゲンさんとワン子が一緒にいるよな。今も、ゲンさん、当たり前のようにワンコの修行について行ったし」
大和がニヤニヤしながら今の行動について話した。
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