一部 高校一年
川神一子の師範代ロード
3話 試練の始まり
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のは分かっているが、そう思わずにはいられない百代だった。
ワン子に決断が下るまで、あと一ヶ月。
秘密基地
「「「おめでとう、ワン子」」」
「やるじゃねーか、ワン子」
「頑張ったな、一子」
「ありがとう、皆。あたし、これからも頑張るわ!!」
試合の後日、ワン子の勝利が報告された。
「格上の相手に大したものだったぞ、ワン子」
モモ先輩が優しい表情でそう言った。
「ありがとう、お姉様。これからも師範代目指して勇往邁進よ!」
「ワン子、お前にもう一つ、試合の話があるんだ」
モモ先輩があらたまって話しだした。何だか嫌な予感がするな。
「まだ二ヶ月も先の夏休み前の話なんだが」
「本当? 今度はどんな人とやるの?」
「私とだ」・・・そういうことか。
「お姉様と!?」
「おいおい、いくらなんでもそりゃ無茶じゃねーか?」
ガクトを始めとした他のみんなも驚いている。
「何、今のワン子の実力を測るためだ」
「・・・・・・!!」
その言葉で京はなにか勘づいたようだ。
「詳しいことは、今日の夜に川神院で話す。私はこの後、用事があるからこれで帰る。またな」
「分かったわ、お姉様、またあとでね」
「じゃあね、モモ先輩。また明日」みんな口々に別れの挨拶を口にした。
・・・これでもう、引き延ばすことはできない。私も覚悟を決めないとな
モモ先輩は少しの間目をつぶって立っていたが、しばらくするとまた目を開き、歩き出した。
秘密基地では
「お姉様との試合が決まったんだもの、こうしちゃいられないわ!! 修行に行ってくる!!」
そう言ってワン子が秘密基地を飛び出し、それに当然のようにゲンさんがついていった。 この二人最近やたらと一緒にいるな、ようやくゲンさんも覚悟を決めたかな。でも、ワン子はまだ気づいてないみたいだな。もう少しかかるかな。などと思いつつ、龍斗は京を屋上に呼び出した。
「どうしたの?龍斗」
京は不思議そうにしている。
「今回の試合のこと、どう思った?」
俺はいきなり話の核心を突いた。
「!!、どうして私に聞くの?」
自分が何かしらのことを勘づいていると悟られて驚いているようだ。
「分かってるんだろ、この間のモモ先輩の表情の変化にも気づいていたみたいだったしな」
「今回の試合で、もしかしたらワン子の師範代への道が・・・。」
京にしては珍しく言いよどんだ。代わりに俺がその言葉を引き継いで答えた。
「閉ざされるかもな」
「・・・やっぱり」
京の表情は暗い。
「100%ではないだろうが、今のワン子には厳しいだろうな。」
「何とかしてあげたいけど・・
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