一部 高校一年
プロローグ
1話 帰ってきた男
[3/5]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いると前の方にポニーテールを揺らし、タイヤを引きながら走ってるブルマ姿の少女が目に入った。
少女は懸命に走っているせいか龍斗に気づいていないようだ。
龍斗はニヤリと笑ったかと思うと、気配を消し、俊敏な動きで少女のすぐ後ろまで近づくと、少女の引いているタイヤの上に座り込んだ。
少女は突然タイヤが重くなったせいでつんのめりそうになったが、なんとか体勢を持ち直した少女は驚きと非難の入り混じった声で抗議した。
「もう、龍斗!! 急に後ろに乗らないでよ、びっくりしたじゃない!!」
「はは、ごめん、ごめん、ワン子が走ってるところを見たの久しぶりだったからついイタズラしたくなっちゃって。おはよう、ワン子」
「うぅ、そんな屈託のない笑顔で返されるとは…。変わってない、二年前から何も変わってないわ。おはよう、龍斗」
この少女は風間ファミリーの一人で川神一子、通称ワン子である。犬の仕草や風間ファミリーによる調教で犬笛という笛を鳴らせば飛んでくるという体質になり、ペットやマスコットとして扱われることが多い少女である。彼女は孤児であり、自分を引き取ってくれた川神院という武術の総本山のようなところで、自らの憧れであり、世界最強の武神と謳われる姉の川神百代のサポートをするために、川神院師範代になるという目標がある。川神院は世界的に有名なので、当然そこの師範代になるということはとんでもなく狭き門なのである。人より才能のあるわけでもないワン子は人の何倍も努力することによって、常人よりは遥かに強いが、師範代には届かない。そこには才能という越えられない壁が存在する。姉の百代もそれを伝えるかどうかで悩んでいるようだ。
そんなことを龍斗が考えながら走っていると、川神院の前に川神百代がたっていた。
「おはよう、龍斗にワン子」
「おはよう、お姉様」
「おはよう、モモ先輩」
「ワン子、そろそろ朝食だから俺はここで引き返すよ」
「わかったわ、お姉さまに龍斗、私まだ走ってくるからまた後でね」
「ああ、頑張れよワン子」
「またあとでな」
ワン子はそのまま走っていった。
「なぁ、龍斗 たたk「お断りします」なんだよ! お前は私を倒すために旅に出たんだろ」
「そうですけど、今の俺じゃあ勝てる気はしないので、勝てると思うまで勝負は挑みません。」
「何だよ、昔はしつこい位戦いを挑んできたのに」
「昔みたいにボロ負けしない分、技を見られて勝率を低くしたくないので」
「ほう、言うじゃないか龍斗のくせに。まぁ楽しみに待ってるよ」
モモ先輩は俺が川神に来て最初の喧嘩の師匠みたいな存在だった。といっても喧嘩を挑んでボコボコにされた記憶以外ないけど…。ちなみに彼女も風間ファミリーで、唯一の年上だ。彼女にはワン子の他
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ