第三章
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い筈だぜ。それであいつは?」
「喫茶店に連れ戻されたさ。御前がそそのかしたことになってな」
「そうか」
そう言われても別に頭にはこなかった。親父さんがあいつを大事に思っているのは知っていたから。だから意地でも認めたくはないとわかっていたからだ。
「じゃあもうあの店には行けねえな」
「そうだな」
「他の店に行こうぜ」
「そうするか」
このことはすぐに決まった。しかしそれでもまだ。話は終わっちゃいなかった。仲間の一人が俺に対して言ってきた言葉がそれを教えていた。
「で、このことな」
「ああ」
「学校に伝わったぜ」
「学校にか」
「親父さんが言ったんだ」
「だろうな」
あの親父さんしかいなかった。そんなことをするのは。それもこれもやっぱり親馬鹿からだ。悪いのはとことんまで俺、そんなに悪いのかと思える程だ。
「じゃあ俺は退学か?」
「いや、それはないらしい」
「おいおい、また随分と変な話だな」
俺は仲間の一人の言葉を聞いて痛みに耐えながら笑ってやった。何とかいつものふてぶてしさを出してやろうと思ったからだ。
「俺が全部悪いんだろ。それでどうしてなんだよ」
「鬼熊が庇ってくれたんだよ」
「鬼熊が!?」
最初にこの言葉を聞いた時。俺は我が耳を疑った。
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