第T章:剣の世界の魔法使い
ユイの心
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法使い》であるということをこの場にいる全員に知らしめることになってしまう。キリトとアスナに、ユリエールとシンカーに、何と説明したらいいのか……。
「皆さん、下がっていてください。シンカーさん、ユリエールさん、転移結晶で脱出を!!」
「!?」
「ドレイク!?」
キリト、シェリーナが驚きの声を上げる。ドレイクが、いつの間にかあの魔法使いの杖を出現させていた。視界の向こう側で、シンカーと、彼に助け起こされたユリエールがうなずく。
死神が再び動きだし、鎌を振り上げるのと、シンカー、ユリエールが転移するのと、ドレイクの術が起動するのは、ほぼ同時だった。
「――――《フレイム・トーレンツ》」
ドレイクが呟くと同時に、死神に向けられた杖から、炎の矢がいくつも飛び出す。それは死神に炸裂すると、そのHPバーを大きく減らした。死神がデスマスクで覆われた顔をのけぞらせて、音のない悲鳴を上げる。
「ドレイク、それは……」
キリトがドレイクのもつ杖をみて、かすれた声を出す。驚愕が冷めないらしい。当然だ。この世界に存在しないはずの《魔法》――――それを駆使する人間を、目の前で見たのだから。
「シェリーナ、五秒だけあの死神の動きを止めてください。それで終わります」
「……分かりました」
シェリーナは《バールドライヴ》を抜き放つと、死神に向かってソードスキルを放つ。死神のHPが絶望的なほど少量減少するが、ダメージ量はさほど問題ではない。シェリーナにターゲットが移動したこと――――それに意味があるのだ。
「はぁっ!!」
斬りつける。死神の大ぶりの攻撃を避ける。五秒間がここまで長かったのは初めてかもしれない。
「シェリーナ、退避!!」
「了解!!」
ドレイクの叫び。シェリーナは全力でドレイクより後ろに後退する。直後、ドレイクの足元の魔法陣が完成した。
「―――――《マキシマイズマジック・ジャッジメントライツ》」
くわぁああん!!という音と共に、視界が光で塗りつぶされる。視力が戻った時、そこには、三本あったHPを、最後の一本のレッドゾーンまで陥れられた死神の姿があった。
「すごい……」
「ドレイク、君は……」
アスナとキリトが口々に感嘆の声を漏らす。
「……まだです」
しかし、死神はまだ倒れていない。死神がゆらり、と大鎌を振り上げ―――――歪んだ。
「!?」
ドレイクを含む全員が息をのむ気配。
大鎌に、暗黒のオーラが集約していく。ぎぃぃ、うぁぁあ、ひぁああ、と、悲鳴のようなサウンドが鳴り響く。
「う……!?」
「ドレイク!」
ドレイクががくり、と膝をつく。
「ママ……!」
ユイが
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