第T章:剣の世界の魔法使い
ユイの心
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にでもいそうなサラリーマンの男』がいた。ユリエールから聞いた外見特徴が一致する。彼がシンカーだろう。
「シンカ―――!!」
「ユリエ―――ル!!」
シンカーがユリエールを迎え入れるように両手を広げる。感動の再会……その瞬間。
「ユリエールさん、止まって!!キリトさん、アスナさん、シェリーナ、戦闘態勢!!」
ドレイクの叫び声が、フィールドを貫いた。そこに込められた『何か』を感じ取ったかのように、一瞬だけユリエールの体が止まる。直後。
ゴォオッ!!という轟音と共に、恐ろしいスピードで何かかユリエールの目前を通り過ぎた。いや、『過ぎて』はない。ユリエールの目前で、『それ』は止まる。
白銀の大鎌を持った、漆黒の死神だった。サイズは二メートル半近く。アインクラッドのフィールドボスに近いサイズだ。死神…名を《The Fatal-scythe》…は鎌を振り上げると、ユリエールに向かって振り下ろす。
「ユリエールさん!」
キリトが二刀を輝かせ、鎌を弾き返す。インパクトダメージで、ユリエールがシンカーの方向に飛ばされる。
「ぐぁ!?」
「キリト君!」
「キリトさん!?」
死神の動きも止まるが、キリトも吹き飛ばされる。
「―――――ッ!!」
死神が声にならない叫びをあげる。音は無いが、その叫び声の重圧が大気を揺らす。
「まずい……」
「どうしたの、キリト君」
「あのモンスター、俺の識別スキルでも情報がほとんど見えない。たぶん九十層クラスのボスだ……」
「な……」
アスナが絶句する。隣でシェリーナも。
アインクラッド九十代階層、それは、はるかかなたにあるこの浮遊城最後の難関たちだ。ドレイクの話によれば、アインクラッド第九十層にてすべてのユニークスキルが解放される。九十五層でヒースクリフは自らが茅場晶彦であることを明かし、百層へと移動してしまう。直後、全階層の《圏内》が消滅、アインクラッドは混沌と絶望に再び叩き落される。
そんな階層のボスモンスター。確実にヒースクリフと同等の強さを持っている。SAOではボスモンスターとの戦闘はその階層の数字+10以上のレベルが好ましい。つまり、最低でも100レベルを超える実力がなければならないのだ。
キリトのレベルは97。アスナ、シェリーナは87だ。ユリエールは64とのことなので、この場でレベル100を超えるプレイヤーは……いや、いる。たった一人だけ、この場に、レベル100を超えたプレイヤーがいる。
ドレイクだ。GM権限で上げたのか、それとも最初からこのレベルなのか。ドレイクのレベルは驚異の200だ。まず間違いなくこの世界最強。
だが、ドレイクが戦うということは、彼が《魔
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