第T章:剣の世界の魔法使い
軍
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十歳くらい。どう考えてもナーヴギアの対象年齢外だ。
ナーヴギアには、健全的にも対象年齢がある。十二歳以下の子どもは使用を禁じられていたはずだが……あまり守られていないようだった。
「なぁなぁ、上の層から来たなら剣とかいっぱい持ってるんだよな!見せてくれよ!!」
「こら!お客様に失礼でしょ!」
サーシャが騒ぐ子ども達をしかりつける。キリトがにやりと笑って、
「ああ、いいぜ」
と、アイテムウインドウから様々な種類の武器をドサドサと出現させる。子ども達はキラキラと目を輝かせると、異口同音に「すげー!!」と叫び、武器の山に群がる。おもーい、とか、かっけー、と言った声が聞こえる中、一人の少年がこちらに近づいてくると、ドレイクを見上げて、
「なぁ、兄ちゃんはなんか持ってないのか?」
と聞いた。むぐっ!とくぐもった声を出したのはシェリーナ。ドレイクは武器スキルが使えない性能上、武器を持っていないはずだ。あるとすればあの杖くらいだが……。しかしドレイクは、にっこり笑って
「はい。見ますか?」
といってアイテムストレージから、三本ほど剣を実体化させた。一本は、不思議な模様が描かれた黒い剣。もう一本は、半透明の水晶を閉じ込めた細剣。最後は、病んだような光を宿した白い大剣だった。
「すっげー!」
少年が目を輝かせてそれに飛びつく。大剣は特に大きく、少年の背丈ほどもあった。
シェリーナは、ドレイクに近づくと、耳打ちした。
「あの、ドレイク……」
「はい。どうかしましたか?」
「あの武器、どこから出してきたんですか?なんか、ボスドロップの気配が漂ってるんですが……」
シェリーナは《鑑定》スキルをもっているわけではないが、そうでなくても剣たちの纏う圧倒的な《情報圧》とでもいうべきものが感じられるほどには、アインクラッドを冒険している。ドレイクは彼には珍しい、キリトの様なシニカルな笑みを浮かべると、「気付きましたか」と呟いた。
「あれは今後、アインクラッドのボスドロップとして、勇者たちのために出現する武器です」
「んな!?」
「黒い剣はキリトさんの専用武器となる《星を救う者》。アインクラッド第九十七層ドロップです。ユニークスキル《創造》をもつ鍛冶師が作り上げるはずのもう一本の剣と共に、魔王を倒す剣です。細剣は《星を封じた剣》。アインクラッド第八十五層ドロップ、大剣は《戒め》……《暗黒剣》専用装備で、第九十一層にてドロップします」
「ゆ、ユニークスキルホルダー専用……」
そんなものが一発で呼び出せてしまうドレイク。忘れてはいけない、彼もまたゲームマスターの権限を持つものなのだ。
よく
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