第T章:剣の世界の魔法使い
朝露の少女
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合わせてみたら――――カーソルが出ない」
「なっ……」
「ひっ……」
「……!」
隣で、ドレイクすらが息をのむ気配。当然だ。アインクラッドでは、プレイヤー、モンスター、NPC、どれをとっても人型のものには必ずカーソルが出る。人型ではなくても出てくる者もいるが。
「んで、よせばいいのに声をかけた。すると、その子がゆっくりとプレイヤーの側を見た。そこで彼は気が付いた。服が……透けて見える」
「ひぃぃ……」
「プレイヤーは走った。走って走って、もうここまでくれば大丈夫だろうというところでゆっくりと後ろを振り返ると……」
「――――――っ!?」
「誰もいなかったとさ。めでたしめでたし」
あっけない展開に、思わずずっこけそうになってから、
「「き、き、キリト君の馬鹿―――――――――っ!!」」
アスナとシェリーナは、ぴったりリンクした動きで再びキリトをぶん殴った。HPが減る。その時だった。
不意に、何者かの気配を感じた。こっちを見ている。恐る恐るそちらの方向に視線を向けると、そこにはキリトの話と寸分たがわぬ特徴の少女が、ぼんやりと立っていた。
「ひっ!……き、キリト君、あそこ……」
「おいおい……嘘だろ……」
呆然と二人が呟いたその瞬間。少女が、どさりと倒れた。そして同時に、
「うっ……!?」
ドレイクが、突然顔をしかめたかと思うと、頭を押さえて跪いた。
「ドレイク!?」
「これは……一体……!?」
シェリーナは苦しげにうめくドレイクのそばに跪くと、その肩に触れた。その瞬間。
ざざざざざ、とシェリーナの視界にノイズが走る。同時に、脳内に直接声が響いてくる。
『いやだ、いやだぁああ!!』
『嘘だ!こんな……こんなこと嘘に決まってる!!』
『死にたくない!!死にたくないよぉ!!』
『帰りたい……帰りたいよ……』
『何でこんなことになっちゃったの?何でゲームから出られないの……?』
『うわぁぁああああああ!!!』
「う、わぁ……!?」
耐え切れずに、シェリーナは頭を押さえる。心に……否、魂に、じっとりとそれはしみこんでくる。シェリーナにも、絶望が伝染する。四肢の感覚がなくなる。意識が遠くなる。これは――――これは――――
プレイヤーたちの負の感情だ。約二年間にわたってこの電子の世界に、鋼鉄の浮遊城にとらえられ続けたプレイヤーたちの絶望の感情――――それが、今、なぜかドレイクを通してシェリーナの脳に、いや、魂に直接アクセスしている。
「あれは……幽霊なんかじゃないぞ!」
「ちょ、ちょっと、キリト君!!」
キリトとアスナが、倒れた少女を抱き起す。同時に、シェリーナとドレイクの視界も元
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