第T章:剣の世界の魔法使い
朝露の少女
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。キリトが笑って答える。
「久しぶりだな、ドレイク。シェリーナも」
「はい。お久しぶりです!」
「シェリーナちゃん、ドレイクさん、久しぶり!」
「アスナさんもお変わりなく」
キリトの上で手を振ってくるアスナにシェリーナも手を振り返す。いいなぁ、とちょっと思ってしまったがそれは仕方がないとしよう。
「ドレイクも私の事肩車とかできないんですか?」
「ごめんなさい。無理です。筋力値が足りません……あ、別にシェリーナが重いとかそういうことではなくですね……」
焦ったようにワタワタ両手をふるドレイク。最近見られるようになってきたコミカルなドレイクだが、もともとこんなキャラクターだったのだろう。違和感がない。
「お二人は、どちらへ?」
「ああ、これからな――――探しに行くんだよ、オバケ」
「「は……?」」
にやりと笑ったキリトの上で、アスナがぶるりと一瞬だけ震えた気がした。……まぁ、仕方ないだろう。アスナはオバケが非常に苦手だ。アインクラッド六十層後半、幽体系・幽霊系のモンスターが出現する迷宮区の攻略には、アスナが一切参加していない。……因みに、シェリーナも参加していない。なぜか?……簡単、シェリーナもオバケは嫌いだからだ。
「お、オバケって……出るんですか?本当に」
「ああ。見たっていうプレイヤーが後を絶たないらしいぜ。詳しく聞くか?」
笑みを今度はいたずらっぽいにやにや笑いに変えたキリトに向かって、
「やめてキリト君!!」
「べ、別にいいです!!」
という女性二人からの叫びと、攻撃がヒットした。
「ごは!?」
圏外だったため、キリトのHPが減った。
「あっ……ご、ごめんなさいキリトさん」
「うーいてて……別にいいよ。俺が悪かった」
キリト達とひとしきり笑いあうと、彼らについてその《オバケが出る》という森に行ってみることにした。
***
「……けど……」
「……やっぱり気になるというか、予備知識がないと余計怖いので教えてくださいキリトさん」
「いいぜ?」
結局オバケ騒ぎの事を聞くことにしたアスナとシェリーナであった。
「一週間くらい前だったかな。商人クラスのプレイヤーが、木を切りに森へ入った。ちょっと深入りしすぎて、気が付いたら夜になっていた。そろそろ帰らなきゃやばい――――そう思ってあたりを見回すと、何か、白いものが」
「……」
アスナがもう限界、とでも言いたげな表情をつくる。たぶんシェリーナも同じような顔をしているだろう。
「モンスター、と思ったけど、どうやらそうじゃない。プレイヤー……それも、小さな女の子に見えたんだそうだ。黒い髪で、白い服の。んで、目を
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