第T章:剣の世界の魔法使い
リンダースの町で
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けが興味深げに聞いていて、呆れられたことや、巨大な穴に三人して落下したことも、まるで昨日の事の様に思い出せる。
「シェリーナ!」
店から出てきたピンク色の髪の少女が、シェリーナを見つけると手を振ってくる。
「お久しぶりです、リズさん!」
シェリーナも少女――――リズベット(通称リズ)に駆け寄ると、ハイタッチを交わした。
「シェリーナに最後にあったのいつだっけ」
「えーっと……たぶん、二カ月ぶりくらいだと思います」
「うわ!そんなに立つのかぁ。あ、入って入って。キリトとアスナも来てるから」
リズベットに連れられて、武具店に入るシェリーナとドレイク。武具店の中には様々な武器が陳列されている。そのどれもが、一目で一級品と分かる輝きを纏っていた。ドレイクが興味深げに、しげしげと店内を見渡す。
「……すごいですね。《私》になる前もこれほどの武器屋に出会ったことはないみたいですよ」
「リズさんはマスタースミスですから。一級品が続々つくれるんですよ」
ドレイクに説明するシェリーナ。すると、前を歩いていたリズが振り返って、
「マスタースミスって言っても、アイテムそのものはランダムパラメータだからいっつも一級品っていうわけにはいかないんだけどね」
と苦笑した。
そんな会話をしながら、三人はカウンターの奥、リズの住居スペースへと入って行った。リズベットがドアをこんこん、とノックすると、中から「はーい」という声。
「お待たせぇ〜」
リズがドアを開けると、部屋の丸テーブルには、既に二人のプレイヤーが並んでいた。言うまでもなく、キリトとアスナだ。
「シェリーナ!」
キリトが驚愕の表情を浮かべてシェリーナを見る。
「どこ行ってたんだよ、心配したんだぞ!?……まさか、四日間ずっと迷宮区にこもりっぱなしだったとかじゃないだろうな」
「まさか、そんなワケないじゃないですか。キリトさんじゃあるまいし」
「何をぅ?生意気な!」
どこかほっとした表情のキリトに、シェリーナは言い返す。キリトとこんな感じの会話をするのは、とても久しぶりのような気がした。やはり、ドレイクの影響なのだろうか……。
「シェリーナちゃん、久しぶり」
「はい、お久しぶりです、アスナさん」
シェリーナは、キリトの隣に座るアスナにもぺこりと頭を下げた。ついでにフードも脱ぐ。
キリトとアスナが結婚したことは、既に聞いていた。多少のショックはやはりあったものの、「ようやくか」「よかった」といったプラスの感情が、それを上回っていた。なぜだろうか。シェリーナにはわからない。けれど、今はキリトとアスナの幸せを、心から願いたかった。
SAOにおけるプレイヤーの関係は、大きく分けて四種
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