第T章:剣の世界の魔法使い
《魔法使い》の正体
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。ここが現実世界なら、窒息死していただろう。それほどまでに、驚愕すべきことだったのだ。人工で作られた魂……それが、ドレイクの正体だというのか。
「私の肉体である方は、このSAOのプレイヤーでした。彼は相当な高レベルプレイヤーでしたが、素行が悪く、攻略にも参加していなかったようです。そんな彼は、ある日、しばらく後に最悪と言われるギルドの、リーダーとなる男と遭遇。敗北し、死亡します。今から一年と少し前の話です。」
そのギルドリーダーが、《笑う棺桶》頭首であるPoHであることは間違いなさそうだった。昨日遭遇した時、PoHがドレイクを見て『死んだはず』と言ったのはそういうことだったのか。
「死亡したそのプレイヤーの脳は焼切られ、プレイヤーは死亡しました。しかし、偶然にも浅木女史の近辺に住んでいたその少年が、浅木女史の獲物となるのです」
獲物、という言葉にぞっとする者を感じた。ドレイクは続ける。
「浅木女史は、少年のご両親に交渉を持ちかけます。『息子さんと二度と会えなくなる代わりに、彼を生き返らせたくはないか』。両親は、どちらにせよ息子と再び会うことはできないという矛盾に愚かにも気付かず、交渉を了承してしまう。浅木女史は、少年を回収し、その脳を彼女が開発した特殊な機械…詳しいことは私も知りません…にかけ、そこに完成されたフラクトライトを埋め込んだ。装置の造りだす加速された仮想世界で造りだされ、そして常識や理解、人間らしい感情を与えられた魂は、遂に少年にとって代わる。それが、私……ドレイクの正体です」
なんと――――なんという、壮大な話であろうか。シェリーナは、既に五分近く息を止めていることに気が付き、息を吐き出した。それを見てドレイクは、まだ続きますよ、と呟いた。
「《私のナーヴギア》は、私がログアウトするかこの世界で死亡するかした瞬間、壊れます。それに、私の場合死亡=魂の削除です。そのあたりはあなた達のナーヴギアと似ていますね……。そして、私は、茅場晶彦と、この世界について何も知らないわけではない。そればかりか、一度よみがえったその時にこの世界について全てを知ったと言ってもいい。《神聖剣》《二刀流》《暗黒剣》《抜刀術》《手裏剣術》《無限槍》《射撃》《雌雄剣》《双斧》《創造》……これらは、この世界に設定された《ユニークスキル》の名前です。もちろん、出現条件も知っています」
「ちょ、ちょっと待ってください」
シェリーナはドレイクの言葉に、聞き捨てならない部分があったことに気付いた。
「今、ユニークスキルの名前が出てきましたが……それで、全部なんですか?」
「はい。全部です」
「じゃぁ……じゃぁ……《魔法》は?今出てきた名前に、《魔法》はなかった……」
困惑するシェリーナに
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