暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜剣の世界の魔法使い〜
第T章:剣の世界の魔法使い
オレンジ・プレイヤー
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ナがこくりとうなずく。

 あ、アホか……と柄にもなく思ってしまった。いくら実戦形式とはいえ、結晶アイテム使用不可という状況はあまりにも愚かだ。いつ何時凶悪な事態に陥るかはわからない。そう、たとえば――――

 パーティーメンバーによる裏切り行為。

 シェリーナの脳裏に、去り際のクラディールの言葉が思い出された。

『貴様ら……殺す……絶対に殺すぞ……!!』

 シェリーナの背筋に、冷たいものが走った……気がした。一切の生理的現象はSAO内では起きないはずなのだが。あの時のクラディールの怨嗟は、本物だった。絶対に、何が何でも殺す、という決意が目に見えていた。

「……嫌な予感がします」
「え……?あ、ちょっと、シェリーナちゃん!」

 もうシェリーナは駆け出していた。


 ***


「!!!」
『どうしたのだ?ドレイク』

 突然弾かれたように顔をあげたドレイクに、黒龍王が問いかける。ドレイクの表情は、かつて見たことがないほどに険しかった。

「……王よ……私に、一時、《エネマリア》の外に出て、この階層を離れることをお許し下さいませんか」
『何!?……何か、あったのか』
「はい。このまま放っておけば……シェリーナが死んでしまいます。それだけではない。再びこの浮遊城に殺戮の宴が始まってしまう」
『何と!?……まさか』

 再びドレイクは険しい表情を作って、黒龍王に一つ頷く。

「《地獄の王子》が帰還しました。王よ。私にご許可を。シェリーナを救いに行かねば」


 ***


「ヒィィィィ!!」
「ヒャーハハハハハッッ!!」

 ハルゲンという名前のゴドフリーの部下が砕け散る。右手に両手剣を握ったクラディールが哄笑を上げる。シェリーナがマップに表示されたキリトの座標に辿り着いたとき、場面はちょうどその瞬間だった。

「よォ。おめぇみてーなガキ一人のためによぉ、関係無ぇ奴二人も殺しちまったよォ」
「……その割には随分嬉しそうだったじゃないか」

 そんな会話が聞こえてくる。クラディールは、地面に倒れたキリトに向かってひっひっひ、と笑いかける。なぜキリトは動かないのだろうか。キリトの実力なら、このまま体勢を立て直してクラディールを攻撃することは可能なはずだ。クラディールのカラーカーソルは犯罪者をしめす毒々しいオレンジ。攻撃してもキリトのカラーカーソルは緑のままだ。オレンジプレイヤーになることを恐れているのではない。そもそもキリトはそんなことで恐れない……

 キリトが反撃しない理由。それは、キリトのHPバーを見た時に解消された。

 普段はない、点滅する緑色の枠がキリトのHPバーを囲っていた。さらに、プレイヤーネーム、ギルドタグと並んで、小さな稲妻型の|行動阻
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ