第T章:剣の世界の魔法使い
オレンジ・プレイヤー
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盟騎士団》の一員であることを示している。
はぁ〜っと大きなため息をついたキリトは、観念したようにどっかりと揺り椅子に座りこんだ。そんなキリトをニコニコと眺めていたアスナは、あ、と何かに気付いたような声をあげると、
「そういえば、まだきちんと挨拶してなかったね。これから同じギルドのメンバーとしてよろしくお願いします」
姿勢を正し、右手を差し出した。
「……ああ、よろしく」
キリトもその右手を握る。
「……とはいってもなぁ……俺はヒラでアスナは副団長様だからなぁ……」
キリトはアスナの背中に人指しを置くと、そのまま腰までつーっと指を這わせた。
「きゃぁ!?」
「こんなこともできなくなっちゃったよなぁ」
「アスナさん、なんてうらやま……じゃなくて、なんてことしてるんですかキリトさん!」
なんだか前にもあったようなセリフを叫ぶシェリーナ。アスナはキリトの頭をぽかりと叩くと、ぷくーっと頬を膨らませ――――また何かに気が付いた表情を浮かべた。
「あ、キリト君、言うの忘れてた」
「何だ?まだなんかあるのかよ」
「うん。あのね。キリト君、ヒラじゃなくて副団長権限持ってるからね」
「「え?」」
アスナの言葉に信じがたいものが含まれていたのを聞きつけたキリトとシェリーナが同様の声を上げる。
フクダンチョウケンゲン?
「「えええ―――――っ!?!?」」
***
《血盟騎士団》の本部に行ったとき。そういえば、ヒースクリフの隣に、アスナのものと思しき椅子の他にもう一つ同型の椅子があった。アスナによると、あれは「いつか現れるであろう新たなユニークスキル使いのための席」だったそうだ。つまりヒースクリフは、当初から自ら以外のユニークスキル使いが出現することを予測していたということだ。そしてその椅子が出来上がった時点では、既にキリトは《二刀流》を獲得していた。何という慧眼。
そんなわけで、早速キリトは組織の立場からして優遇され、今日一日はアスナとパーティーを組んで攻略を行う……はずだったのだが。
「……なるほど。妨害された、と」
「そうなのよ……あーもうっ!ゴドフリーってばキリト君のこと本当に何もわかってないんだから……」
そのゴドフリーという《血盟騎士団》幹部プレイヤーが、キリトの実力を確かめるという名目で、彼を連れ去ってしまったらしい。シェリーナはグランザム市内をうろついていたところをアスナに捕獲され、現在愚痴に付き合っているところなのだが……。
「なによ『本当にその力が使えるのかはわかりませんからなー』って!キリト君はあんたの何倍も強いわよ!」
ここにはいない部下に向かって文句を言うアスナ。
「せっかく副団長権限があ
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