第T章:剣の世界の魔法使い
ユニークスキル
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だの重しとしか見なかっただろう。しかし、《二刀流》を駆使して誰かの命を守った今のキリトなら……守るための力があって、よかった、と。《二刀流》があってよかった、と思うのではないか。
キリトは、《二刀流》に『守るための力』という意味を見つけたのだ。
「ドレイクさん」
「はい?なんでしょうか」
「ドレイクさん。私の知り合いの方に、ユニークスキルを使う人がいます。その人も、きっとドレイクさんと同じことを思ってたんだと思います。けれど、その人はそのスキルで、誰かを守った。あの力が無ければ、助けられなかった命でした。……ドレイクさん。きっと、いつか《魔法》のスキルを、どういう風に使えばいいのか。何のために有るのかが分かります。ドレイクさんは以前、『異世界との橋渡しのためのスキル』とおっしゃっていました。ドレイクさんは、この《エネマリア》の皆さんと仲良く暮らしている……きっと、それで十分だと思うんです。……ごめんなさい。えらそうに言ってしまって……私には、なんの力もないのに……」
彼女にしては非常に珍しく、長い言葉を言い切ったシェリーナは、急に恥ずかしくなってうつむいてしまった。
「いいえ。そんなことはありませんよ」
ドレイクを見ると、彼は赤銅色の眼を細めて微笑んでいた。
「そうですね……そうですよ……どうして忘れていたんでしょう。このスキルは、彼らと対話するための力だったはずなのに……どうして、忘れていたんでしょうね。……シェリーナ、ありがとうございます」
目が覚めた気がします、と呟くと、ドレイクはシェリーナが初めて見る満点の笑みを浮かべた。
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