第T章:剣の世界の魔法使い
神聖剣VS二刀流(前編)
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直時間を強いられる現象の事である。それも、強力な剣技であればあるほど長くなっていく。ソードスキルの使いどころが限られてくるのもこの現象のせいである。《雌雄剣》は二人そろっているその時のみ、《クロスレンゲキ》以外のものも含む全ソードスキルのスキルディレイ無しの使用が可能となる。ここで注目すべきは『専用ソードスキルに限らない』と言うことだ。スキルディレイが大きいスキルですらも、このスキル効果の前では無いに等しい。いや、無いのだ。
次に、使用武器規制がないこと。例えば《二刀流》なら《片手剣》以外の武器ではスキルの使用は認められない。聞いたところによると、ヒースクリフの《神聖剣》にも何らかの規制がかかっているらしい。しかし、この《雌雄剣》にはそれが一切存在しない。それどころか、他のスキルとの共用すら可能だ。《雌雄剣》は二人の所持者が、それぞれどんな武器を使っても何の問題もないのだ。実際、コクライとヒバナの使う武器はそれぞれ異なっている。因みにコクライの武器は刀、ヒバナの武器は華奢な外見に似合わない大剣だ。
そして最後が、《所有者同士のスキル共通化》だ。《雌雄剣》の特殊スキルウィンドウに設定されたお互いのスキルは、習得している・していないに関係なく使用することができる。だからもし仮に、コクライかヒバナのどちらかが《二刀流》を手にしていたとすれば、二人とも二刀を使う、合計で《四刀流》にでもなっていたかもしれないのだ。もっとも、《二刀流》はキリトが所持し、そしてこれからヒースクリフの《神聖剣》と力だめしをするのだが。
ユニークスキル《雌雄剣》には武器規制がないと言ったばかりではあるが、実は《雌雄剣》にも専用武器はある。それが、《干将》《莫邪》という名の、古代中国に伝わる一対の宝刀をモチーフとした武器だ。白と黒の曲刀は、その比較的小柄な姿とは裏腹に、シェリーナの切り札《バールドライヴ》をはるかに凌駕し、そして最後の手段である、SSS級鉱石《アナトの涙》《アシェラトの鮮血晶》《アスタルテの雫》から作られた、この世界最強クラスの武器《バールスピリチュアル》に匹敵する、もしかしたらそれを超えるほどの力を秘めた剣である。詳しい能力はシェリーナもよく知らないが、フロアボスをたった二人で追い詰めるのを見たことが有る。その時の話はまた今度。
「シェリーナは《二刀流》に賭けるよな?」
「当然です」
賭博はしないが、コクライの問いにシェリーナは自信をもって頷く。キリトはきっと勝つ。
「コクライさんは?」
「おっさん」
「あたしも」
シェリーナはあまりにもあっさりしたコクライとヒバナの回答に危うくギャグ漫画よろしくひっくりかえるところだった。
「ず、随分冷たいですね……」
「だって《神聖剣》って言ったらこの世界最強のスキルだぜ?
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