第T章:剣の世界の魔法使い
神聖剣VS二刀流(前編)
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兄貴分だ。全くの初心者から、長い時間をかけて友人たちと共に攻略組の仲間入りを果たしている、努力の強者だ。
キリトの《二刀流》が公になる原因となったアインクラッド第七十四層ボス攻略戦にも参加し、キリトを助けてくれたという。
「相変わらずその野武士面も健在ですね、クラインさん」
「失礼なこと言うなよシェリーナ。キリトじゃあるめぇし……」
クラインとの間でも恒例行事となったこのやりとりを交わすシェリーナ。彼らとこんなやりとりを交わすのも久しぶりかもしれない。
「シェリーナ」
エギルとクラインに気を取られていたシェリーナは、しばらくその声に気が付かなかった。
「おーい、シェリーナ?」
「!?」
肩をたたかれて素早く振り向くと、そこには黒い服の青年がいた。金色にカスタマイズされた目は驚いたように見開かれている。
「こ、コクライさん!?」
「あたしもいるよ〜」
青年……コクライの横から、ひょいと赤髪の少女が顔を出す。
「ヒバナさんも……どうしてこんなところに?」
「何って、俺達に続く新しいユニークスキル使いが《神聖剣》に挑むって言うからよ、見に来たのさ」
『俺達に続く』のところを小声で言って、にやりと笑うコクライ。
そう。彼らこそ、この世界二番目のユニークスキル、《雌雄剣》の使い手だった。《殺人大砲》の異名で恐れられる彼らは、アインクラッドの裏で暗躍する隠れた強者である。特にコクライはユニークスキルを除くエクストラスキルの中でも最強と呼ばれる《十五超越技》の一つ、《殺人刀》の使い手であることでも有名だ。もっとも、彼を知る多くのプレイヤーは《雌雄剣》の事を知らないため、《十五超技》の使い手であり、さらに美少女を連れている憎きリア充として見る目しかない者がほとんどであろう。
以前、シェリーナがユニークスキルについて回想した時、このスキル……《雌雄剣》の事を伏せたのはひとえにその特殊性に有る。
《雌雄剣》は、《二人で一人》のスキルなのだ。スキルは二人のスキル欄に同時に出現し、専用ソードスキルの全ても《クロスレンゲキ》という特殊なソードスキル系統である。二人で同時に攻撃するソードスキルというモノは、無限に近い数あるソードスキルといえどこの《雌雄剣》専用スキルのみ。その威力は通常の同時攻撃をはるかに超える。
《雌雄剣》は片方だけでは決して発動しない。二人そろって初めてそのスキル効果を使えるようになるのだ。そして、多数の規制があるにせよ、その実力は圧倒的だ。
まず、全プレイヤーの悩みの種である《スキルディレイ》の一切の無効化。《スキルディレイ》とは、ソードスキルを使った後に、数秒間の硬
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