第T章:剣の世界の魔法使い
異世界の民
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この浮遊城は、地上とつながっていました。そこは《剣技》と《魔法》が織りなす世界。様々な種族であふれた世界」
「それが、SAOの舞台なんですね」
はい、とドレイクは頷く。
「しかし、ある日、その世界は神の怒りに触れます。神は大地を破壊し、消滅させました。異世界の民は散り散りになり、消えゆく世界と共に死んでいく者も少なからずいたと言います。そんな中、一部の種族は唯一残った大地を、最後に残った大魔法によって浮かべ、そこを浮遊城《アインクラッド》としました。異世界の大地が消えたことにより世界からマナは消え去り、《魔法》は《まじない》、それも限定的な物に限られてしまいました。それがいわゆる《マジックアイテム》……ここまでは、よろしいでしょうか?」
あっけにとられたシェリーナは瞬きをすると、
「話がすごすぎて上手くついて行けませんが……なんとか、大丈夫です」
とうなずいた。
『はっはっは。これからが本番だぞ』
「脅かさないでください、王よ。……それでは、私のスキル《魔法》についてご説明しましょう」
ついに来たか――――。シェリーナは、一層息をつめた。
「私は見ての通り人間です。現実世界にきちんと本当の体がある、ね。そんな私が、経緯はまた長くなるのでまたの機会としますが、この《エネマリア》の皆さんと出会った少し後、異世界との絆を取り戻す足がかりの役目を与えられたのです。スキルウィンドウに、見覚えのないスキルの名が。名前は《魔法》。そのままですが、失われたはずの《魔法》を行使するスキルでした」
見てください、とドレイクが言う。彼は小さく何かをつぶやくと、指を立てた。そこに、ぽっ、と音を立てて真っ赤な火がともる。
「すごい……」
『これだけではないぞ。ドレイクよ、見せてやれ』
「やれやれ、周りに被害が及ぶので本当は使いたくないんですがね、あれ……最小限にさせていただきますよ」
ドレイクは小さな火種をともした指を誰もいない木々の隙間に向けた。そして、呟くようにひとこと。
「《フレイム・ダンス》」
ブワッ!!と火焔が燃え上がる。ちりちりと木々が焦げ、火が消えた後には真っ黒な炭だけが残った。
「今のは《魔法》のソードスキルに当たる《術式》の一つ、下級術式《フレイム・ダンス》です」
「フレイム・ダンス……」
はい、と言ってドレイクはのばしたままの手を戻す。
「これが私に託されたその日から、私はこの《エネマリア》の住人として過ごしています。プレイヤーとは違う異質な力を持った存在。《異形種》と同質の存在として。《エネマリア》のモンスター達には、普通のモンスターとは違うアルゴリズムが与えられています。この空間は、SAOのシステム《カーデ
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