第T章:剣の世界の魔法使い
異世界の民
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った。自然と、シェリーナの頬も緩む。
『……不思議か?我らがなぜこのように知性を持つのか。本来の役割とは別に我々がこのように生活している理由が知りたいか』
「……失礼でなければ、お聞きしたいです」
「では、私が説明させていただきましょう」
長い話になるのでお座りください、と言って、ドレイクがにっこりと笑う。
シェリーナが座ったのを見ると、ドレイクも腰をおろし、話し始めた。
「シェリーナは《キャンペーンクエスト》に挑戦したことがあるでしょうか」
「《キャンペーンクエスト》……《シリーズクエスト》との違いがよくわからないままですが、その類のものを受けたことは有ります」
私にもよくわかりませんが、とドレイクは言い、話を続ける。
「《キャンペーンクエスト》は複数層にまたがって物語が進むクエストで、《シリーズクエスト》と異なり、受注する度に異なる結末を迎える……まぁ、Aという人とBという人では物語……世界とでもいえばよいのでしょうか……が異なるクエストだと私は考えています。実際、Aさんの物語とBさんの物語は一切干渉しませんから。……例外を除いて」
例外……それが何なのか、少し引っかかったが、質問は後にすることにして、シェリーナは先を促す。
「そんなキャンペーンクエストの一つに、エルフの勢力争いに関係する物があります。アインクラッド第三層から第九層に至るまでのクエストです。そのクエストでは、《ダークエルフ》と《フォレストエルフ》の剣士のデュエルを助太刀し、助けた方の種族について勢力争いをするものです。先ほども言った通り、展開は微妙に異なりますし、それに別の勢力に付いたプレイヤーと争うこともありません。……話を戻しますね。そのクエストの、《干渉しないはずの物語》に例外があります。エルフの剣士は、相手を倒すために自滅し、相打ちになるのです。その剣士の最期の頼みを聞き届けるところから、このキャンペーンクエストは始まります」
しかし。ドレイクはつなぐ。
「本来最前線プレイヤーでも倒すことの難しいエルフの剣士を、まれに何らかのアクシデントで倒してしまい、一方が生き残る、といったことが起こります。その場合、味方側のエルフからいろいろな情報を聞けるのです。……シェリーナ。現実世界で、《アインクラッド》に関する詳しい設定を聞いたことがありますか?」
言われてみれば、現実世界では《ソードアート・オンライン》というゲームに関する設定は溢れるほどあったにもかかわらず、《浮遊城アインクラッド》についての詳しい設定を聞いたことはなかった。特に設定はないのだろうと思っていたのだが……。
「いいえ……もしかして、何か関係が?」
「ええ」
ドレイクは一つ頷く。
「かつて……
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