第T章:剣の世界の魔法使い
ドレイク
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ええ、と姿勢を戻した《魔法使い》――――ドレイクは言った。
「予想はしてたけれど……本当に、《魔法》を使うのですか?」
「はい。私には今は亡き異世界の大地との《繋がり》が残っていますから。この浮遊城では失われて久しい《奇跡を借り受ける》力が私には宿っています」
「異世界……」
異世界。それがこの世界の事であるのは明らかだ。そして、アインクラッドは《浮遊城》。大地、ということは、アインクラッドがかつて存在していた世界がある、ということなのだろうか。
「この世界について、多くの《プレイヤー》の方たちは詳しくお知りにならない。私に残された《繋がり》についても、知りたいでしょう?」
「あ、はい……」
「それでは、立ち話も難です。付いて来てください。ええと……」
そこでシェリーナは、自分が名乗っていないことに気が付いた。
「シェリーナ、と言います」
ドレイクが素顔を見せたのだから、シェリーナも見せなければ不敬だろうと思い、普段は決してはずさないフードを外す。シェリーナの金色の髪と青い目がわずかな光に反射してきらめく。
ほう、とドレイクが息を漏らす。
「シェリーナさん、ですか。とても綺麗な方ですね」
「いえ、そんな……」
「すみません。戸惑わせてしまったようだ。……それでは、こちらへ」
ドレイクは《不可侵エリア》の方へと足を進めた。そして、本来なら《侵入不可能》の表示が出る場所に手を触れると、二言三言呟いた。瞬間、何かが消えた。ドレイクは、障壁に阻まれることなく《不可侵エリア》入って行った。
「さぁ、どうぞ」
促されるまま、シェリーナは森の奥地へと足を踏み入れた。
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