第T章:剣の世界の魔法使い
キリトとアスナ
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《スローイング・ピック》》を取り出し、それを構える。
「ガキィ……ふざけてやがるのか……」
「いいえ。お前を倒すにはこれで十分という意思表示です」
「ふざ……ふざけるな!!俺は血盟騎士団だぞ!!」
【デュエル!!】の文字がひらめくと同時に、クラディールは走り出した。ソードスキルが起動。両手剣用ソードスキル、《テンペスト》。両手剣用の突き技でも強力なスキルの一つだ。対して何の動作も起こさないシェリーナに、クラディールは勝利を確信し、隠しきれない笑みを浮かべる。
そして、次の瞬間――――――
きん、という澄んだ音と共に、クラディールの両手剣がはるか後方に吹き飛んでいた。
「な……!?」
そして顔をあげたクラディールの首元に、ピックが添えられている。
「これで一突きすれば、お前のライフは吹き飛ぶでしょうね」
「く……くそっ!!ありえねぇ……」
シェリーナはフードの中で微笑み、答える。
「このピックは《リユシィの魔晶》でできています。《アシュレィの秘石》と対になる魔石……その威力は、血盟騎士団なら知っているはずですが?」
クラディールが驚愕に目を見開く。《リユシィの魔晶》は、《アシュレイの秘石》と同じS級インゴット。このアイテム、およびこのアイテムから作られた武器は、フロアボスの武器に匹敵する硬度を手に入れる。ピック一本でも、クラディールのやわな剣程度なら吹き飛ばすことができる。
「畜生……っ!」
クラディールは小さく「降参する」と呟くと、後ろを振り向き、
「くそっ!有りえねぇ!!そうだ、こんなガキにおもりしてもらってんだ、テメェの実力もたかが知れてらぁ!!」
クラディールは再びデュエル申請を、今度はキリトに送った。
しかし。
「馬鹿、な……」
「武器を変えてやり直すならいいけど……もういいんじゃないかな」
キリトの片手剣が、クラディールの剣を真っ二つにへし折ったのだ。クラディールの剣は外面だけの弱小アイテム。それに対し、キリトの持つ片手剣《エリュシデータ》は、アインクラッド第五十層のフロアボスからドロップした《魔剣》。アインクラッド最強クラスの剣の一本だ。
それほどのプライオリティの差があるのだ。たとえソードスキル発動中といえども、脆弱な横っ腹を叩くだけで、クラディールの剣は簡単に真っ二つに折れた。
クラディールはシェリーナ達を修羅の形相で睨み付けると、
「貴様ら……殺す……絶対に殺すぞ……!!」
とぞっとするような声を立てて、転移門に入って行った。
「やれるものならやって見なさい」
シェリーナの声が、小さくこぼれた。
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