DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第十二話
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……この世界の住人ですがね。六門魔術を使えないと、今後大変になってくる場面があるので、セモンさんには彼女たちに稽古をつけてもらおうと思います」
「わ、分かった」
「とりあえず……夜まで待ちましょうか」
「……え?」
予想外のハクガの言葉に、間抜けた声を出してしまうセモン。まぁ、いきなり『夜まで待て』と言われたらたぶんセモンだけではなくほかの人間も驚くだろうが。実際、先ほどから勝手知ったる様子のコクトを除く、カズとリーリュウもまた、ぽかん、とした表情をとっていた。
「《魔女の村》は、夜にならないと行動を開始しないんです。彼女たちは驚異の夜行性なんですよ。別に昼間に突入しても構いませんが……ハクアさんの寝顔を見たら殺されることを忘れないでください。どうします?」
「夜まで待ちますおねがいします」
一息に言い切った隣で、カズがガタガタ震えている。リーリュウが聞く。
「……どうした」
「いや……なんかデジャヴが……」
「……」
冷たい目でコクトがカズをにらむ。そういえばこの間、カズは就寝中のコクトのウサ耳を握って、手ひどいお仕置きを受けていたんだっけか……。
「けどさ、夜まで待つっていっても、それまで何してるんだよ。今朝の八時くらいだろ」
「ええ。あと十時間近く待っている必要がありますね」
「うん。で?」
「はい?」
「……」
セモンは、絶句するしかなかった。つまり、ハクガはこういっているのだ。
十時間此処で待つこと以外に、やることはない、と。
「「「ちょっとまてぇええええ!!」」」
セモン、カズ、リーリュウが同時に叫んだ。
*
真っ白い宮殿だ。真っ白い。大切なことなので二回記述した。
なぜそれが大切なのか、と言うと、それ以外に何もないからだ。真っ白い。純白。パーフェクトホワイト。完璧な白。
影も形も一切が存在しない。しかし、見える。白しかないはずなのに、そこには豪奢な装飾が、様々な内部構造を見て取ることができた。
長い通路に、突然、白以外の色が現れる。直後、白しかなかったその場所に、色彩が現れた。
トリガーとなったのは、青だ。空の青とも、水の青とも異なった、不思議な青。その色を讃えた長い髪を揺らし、紅蓮い瞳を歓喜に歪ませたのは、一人の少女だった。年のころは16歳ほどか。女性にしては背が高めだ。その長身を、漆黒のぼろローブで包んでいる。
「■■■」
少女に呼びかける声が一つ。澄んだ声色の中に、一握りの傲慢さが封印されている。少女が振り返ると、そこには純白の髪に、漆黒の十二単を纏った、これまた紅蓮い瞳の少女の姿があった。
「ああ、■■■。
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